まるで小動物のように扱われて非常に不本意だ
不貞腐れている顔は我ながら不細工極まりない。煩いわ知ってるわ
そして不細工なモノを厭うノックアウトも不機嫌な顔全開だった
≪私の肩に座りながら不細工な顔をするのはやめてくれ。私のモチベーションが下がるじゃないか≫
「人がどんな顔してようが人の勝手だろ。嫌なら降ろせ。お前が俺を此処に乗せたんだろうが」
≪うぅん…ブサイクなモノを身辺に侍らせておきたくはないがナマエは掌中に収めておきたい…この場合どうすれば…≫
コイツってバカなんじゃねーのかな
「つかお前、今日はディセプティコン活動しないのか?」
≪今日は一日フリーなんだ≫
「バイトか。お前のフリーだからって何で俺がお前と一緒にいなくちゃいけないんだ」
≪不満なのか?≫
「この俺の不細工な不機嫌ツラ見てそう思わないのか」
≪いや、いつものカッコイイナマエの顔だ≫
「…てめーさっき"ブサイク"っつったろ」
≪よく見ると愛嬌のある顔をしてた≫
「お前も近くで見るとへちゃむくれた顔してる」
言い返してやったわ!と思ってると、存外キョトンとした顔に至近距離で見つめられて詰まった
≪"ヘチャムクレ"?≫
「…何だ、知らないのか?へちゃむくれ」
≪ああ知らない。形容詞か?意味は?≫
「……いみ……?へちゃむくれの意味…だと…?」
改めて訊かれると答えられないわ。すまん
って謝ろうとしたら首根っこ摘ままれた。足が宙に浮くと言う気持ち悪い感覚に「うげっ」とすれば、摘まんだ本人の目の前に献上された
「…何の用事なんですか一体。てか何がしたいんだ」
≪キスしてほしい≫
「………えぇぇ」
≪どんなキスでも構わない。軽く触れるだけでもいいし中に舌を入れてもいいし長い間唇を重ねてるだけのキスでも大丈夫。さぁ!≫
「意気込まれたって」
やりませんけど……、って オイオイオイオイ!クレーンゲームよろしく、どんどん俺の身体がノックアウトの方に近付いてってるっておいこらバカやめ、