最近、コビーの付き合いが悪い。
バスケに誘っても乗ってこないし、家にも帰らず、弟のバドと、友達のローリを連れて何処かに遊びに行っているらしい（これはコビーのお母さんに聞いた）
それぞれに付き合いはあると思い諦める。
しかし友人として寂しい反面、とてもつまらない。
どうしてアイツは俺を誘ってくれないのだろう。前まではバドも交えて３人で一緒に遊んでたのに。何か面白い別の遊びを見つけて、その３人で共有し合ってるのか？どうして俺は混ぜてくれないんだ？コビーのバカ野郎
しかしこうなってくると怒りよりもまず、好奇心が湧き上がってきた。
秘密にされた３人の遊び場。絶対に俺も知りたい。
「よし、尾行してやる！」
そうと決まっての行動は早かった。伊達に真っ直ぐ生きちゃいない
「コビー、バスケやんね？」
「ごめんナマエ また今度な」
「分かった」
「？じゃあまたな！」
「おう」
いつもならバスケしようと食い下がる俺が素直に引き下がったのに疑問を抱いたんだろう。少し首を傾げたが、コビーは特に気にしなかったようだ。想定済み。慌しく教室を出て行くコビーをニヤリ顔で見つめる「何て顔してんだお前」って言われた。が、この尾行は俺１人で成功させてみせる
鞄を手に掴んで、学校からそのまま直で何処かへ向かうコビーを追う。
あれ？バドやローリとはどこで合流するんだ？そう疑問に思っても、コビーはどんどん歩く。速すぎる。さすがコビー。するとどうだ。向かいからローリとバドが元気よく手を振りながら「コビー！」と名前を呼び山の中を走ってくるではないか。どんな合流の仕方？目印とかないのか？え、もうそういうところで通じ合っちゃってる系？羨ましくなんかない
コビー、ローリ、バドの３人はそのままズンズン山の中に入って行き、ズンズン草根を掻き分け、それはもうズンズン山ん中を歪みない足取りで進むすすむ。虫多いぞ！虫除けスプレーとか振り掛けとけば良かった。何か顔中チクチク痛い気がする。気のせいじゃない。草痛い。絶対こんな場所、ローリは嫌がると思うんだがどうしてこんな場所で遊ぶんだろう。まさか……、秘密基地！？アイツ等３人、秘密基地作ったんじゃね！？うわ、絶対そうだ。絶対そうだ！だからこんな人気のない山ん中で、しかも誰にも教えないんだ！
「アイツ等……！」
もうそうなってくると嫉妬なのか羨望なのか疎外感なのかよく分からない感情が押し寄せてきた。もうこうなったら意地でもあいつらの秘密基地を突き止めて、明日の学校で秘密基地の所在を全校中に、いや町内に晒してやる！！
楽しそうに何かを喋りながらどんどん歩いて行く３人を追いかけていくと、じきに視界が開けてきた。切り立った岩肌が周りを囲む広い荒野。の、真ん中に、
「……なぁにこれぇ」
立派な硬質素材で出来た基地みたいなのが最初から此処に建ってましたけど？みたいな感じで建ってました
「ナマエ！？」
「え、うそ、ナマエ！」
「何でナマエが此処にいるのー！？」
俺の声に反応して振り向いた３人から一気に言葉の責め苦
そんなことはどうでもいい。だがこれだけは言わせてくれ
「お前ら３人の秘密基地なんでこんなクオリティたけーんだよ！！」