家主であるウィトウィッキー家の面々はサムの受験する大学の下見に出かけた。独り取り残されることになったバンブルビー。基地に帰還しようか、どうしようか、と悩んでいたのでそれならいっそ「俺と一緒に過ごそうぜ」と誘ったら思った以上に喜ばれたので悪い気はしなかった。本当にバンブルビーは可愛いな。数回しか会ったことのない俺にもこんなに友好的に接してくれるなんて。つくづくサムにはもったいな…まぁ良いか。バンブルビー達トランスフォーマーとお近付きになれ、仲良くなれた、これも全部、友人にサム・ウィトウィッキーと言う人間が居てくれたお陰だからな。感謝してるよ、若干な
とりあえず夜7時にバンブルビーとガレージで待ち合わせしていた。
約束の時間になり、敷地内に入って(不法侵入だと咎められてしまうかもしれないがご家族の方々からは了承済みだ)バンブルビーの居るであろうガレージを見れば、光が漏れている。中に入るとバンブルビーが照明を付けて、バンブルビー自身のマイTVでテレビ鑑賞中だった
「よっ、やってるか〜バンブルビー」
≪"遅いよ、もうー!"、"待ちくたびれちゃった〜"≫
「はは、お前はオトコノコなんだから、その女子の声出すのやめろー」
それに、時間ピッタリにちゃんと来ただろ?バンブルビーが空けてくれたスペースに座る。テレビでは今流行りのクイズ番組が放映されているところだった
やることも特に考えていなかったので、そのままバンブルビーと一緒になってクイズ番組に釘付けになった
「バンブルビー、あの問題分かるか?」
≪………≫
「わっかんねーよなー」
バンブルビーたちは物凄い速さでウェブ上で情報を仕入れているらしいが、あんな『今日の奥さんの穿いていたのはズボンでしたでしょうか、スカートでしたでしょうか!』なんてクイズ、分かりっこない。でも番組自体が家族対抗をテーマにしているのだからしょうがないんだけど
『娘さんが友達から呼ばれているあだ名は次のうちどれでしょう!』
『パパ、勿論分かるよね?』
『な、なに〜!?』
「……なんか、父親って不憫だな」
≪"Oh, parents..."≫
「あれ、それオプティマスの声じゃね?」
そして父親は残念なことにその質問に答えられず、脱落してしまった。娘に非難されている背中が寂しい
ホ〜…と見入っていたバンブルビーの横顔を盗み見る。そうだ、そう言えば前から聞いてみたかったことを今訊いてみるか
「…な、俺もサムみたいに"ビー"って呼んでも良い?」
突然の言葉だったがバンブルビーは嬉しそうに頷きサムズアップのポーズを取る
≪"Definitely!."≫
「やりぃ! よし…… ビー、」
≪"なんだい?"≫
「…ふへへ」
≪ビ〜≫
「ビー、ビー」
≪…ナマエ、…ビ〜≫
…あー、もう、サム お前一生帰って来なくていーや