夢だった
空軍に入り、F-22のパイロットになるのが
その夢が、まさかこんな形で実現するとは思いもよらなかった
「…… スタースクリーム!!」
≪うおっ!?≫
「勝手に居なくなるんじゃないといつも言ってるだろうが!」
≪黙れナマエ 俺様はお前等人間の指図なんぞは受けたくない」
「まだお前はそんなこと言ってるのか! いい加減、俺がどんな思いで搭乗訓練受けて死ぬ気で勉強して合格して喜んでんのか分かってるのか!4年だぞ!?此処に来るまでに4年も費やしたんだからな!」
≪…フン、ナマエと出会ってまだたったの4年か。もう半世紀ぐらい経ったのかと思った≫
「お前ら基準で考えてたらそうなるかもしれないが…」
ナマエはガシガシと頭を掻いて溜息を吐く。そう、いつもこれだ
俺がF-22に搭乗するチャンスを獲得した時、嬉しすぎてそのことをスタースクリームに報告した時、
奴も少なからず喜んでくれたものだ。≪もうこれから先、妙な奴等に乗り込まれなくて清々する≫と言って
俺も楽しみだった。長年の夢だったラプターに乗ることが出来る。しかもそれがスタースクリームのだと来た
ディセプティコンとして相対していた頃はもう終わった。これから、スタースクリームと良い関係を築く最初の第一歩だと信じていたのに、こいつと来たら
「お前はこの4年の間、一度も乗せてくれなかったじゃねぇか!!」
≪そうだったか?≫
「そうだ!!」
そう、たったの一度もだ!!
上からの命令があった時も、気付けば姿を隠しているし
乗せてくれ、と誘っても 忙しい、と言って乗せてくれなかった
そう、スタースクリームはありとあらゆる手を使って俺を避けてるんだ
「いい加減にしろ!どうして俺を乗せない!」
≪・・・≫
「何か理由があんのか?ないのか?」
≪理由なら、ある≫
ほう、何だ 言ってみろよこのスタースクリームめ
「おっしゃ 言ってみろよ。この俺を納得させるぐらいの理由ってやらをな」
≪…いや… ナマエをいざ俺に乗せる、となるとだな……≫
「なると? …何だよ。まさか恥ずかしい、とか言うんじゃねぇだろうな」
≪・・・・・・・≫
「……」
≪・・・っぅ!≫
「図星かよ!!!」