TF女主長編 | ナノ
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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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本当に不思議な双眼鏡だ


もう夜も更けて、大人しくベッドに入ったのはいい。でも、あの黄色い双眼鏡が気になりすぎる。無造作に机の上に放置し、月明かりでぼんやりと光る黄色い体。レンズはクリアで、黒い影を落としている


あの双眼鏡のことをお母さんは知らない、と言う。いつの間にかお父さんの探検道具の一つになっていて、何処で手に入れたのかも聞かされなかったらしい。だから誰もこの双眼鏡のことを知らない。霊媒師の人に頼んでお父さんの言葉を聞いてみる?

なんて、バカなことを考えていると



 カタ



「…!?」


いま、うごいた


確かに動いた。
見間違いじゃない。
黄色い体が横に動いた。
夢じゃない。
絶対動いた、カタンって振動してた!


驚いて言葉を失い、布団の中で身動き出来ずにいると、
視線の向こうで、その双眼鏡が "立ち上がった"



≪よいしょ…≫


「ええぇっ!?」

≪えぇっ!?≫



喋った!?


布団の中から飛び起きると、その双眼鏡も吃驚仰天したのか後ろによろめいて尻餅を付いた。慌てて机の前まで駆け寄る
確かにその双眼鏡には、足らしきもの、手らしきもの、そして頭部らしきものが付いていた。ど、どういうこと?



「な、な、な、」

≪お、お、お前寝てたんじゃないのかよ!≫

「は、はぁ!?」



双眼鏡に怒られた!?


≪脅かしっこなしだろ!お前の寝顔をメモリーに保存するのが日課だったのに!≫

「え!?」


い、今、この双眼鏡なんて言った?


黄色の双眼鏡が、あ、ヤベ。みたいな顔してる



≪いやっ悪い!冗談だ、聞き逃してくれ!じゃ、おやすみ!≫

「待ちなさい!!寝かせるわけないでしょ!」

≪で、デスヨネー≫




双眼鏡の首根っこを掴むなんて体験、今日が初めてです