はい、ご一緒に?
※両軍和解済み
「皆さんは、人間の飲食物を摂取しても問題はないのですか?」
事の発端はナマエのこの一言だった。
NEST軍の隊員達の世話係として働いている、言うなれば家政婦のような彼女は、
殺伐としている軍内の陽だまりのような存在だった(※ナマエファンクラブメンバー曰く)
丁寧な言葉遣いに笑顔を絶やさぬ優しい性格の彼女は人気者だった
それは人間のみに留まらず、地球外生命体の彼等にも言えることだ
料理が得意なナマエは日々その腕を存分に隊員達に振舞っていた。
楽しそうに格納庫内で繰り広げられる食事タイムを
物欲しそうな顔で見ているのはオートボット達と、今は停戦協定を結び和解しているディセプティコン達だ
涎のようなオイルを口から零す者もいれば、カメラアイを細めて歯軋りする者もいれば、食事している隊員にちょっかいをかける者もいる。
要するにみんな羨ましかったのだ
そんな両軍の行動を案じたナマエの先ほどの台詞である
≪問題……と呼ばれるほど大きな障害はない≫
≪ワシ等はトランスフォーマーだ。人間と違い、消化されず排出もされない≫
≪だから体内に蓄積され、何時か風化する、と言った具合だと思うよ≫
≪まあ、前例が無いからあくまでも推測の域を脱しないのだがね≫
上からオプティマス・メガトロン・ホイルジャック・ラチェットの意見だ
両軍のトップと軍医である彼等にまず先に訊いてみたのは正解だったようだ
「それでは、私が皆さんに手料理を振舞っても大丈夫だということでよろしいですか?」
≪な、なんと!?≫
≪…手料理?≫
≪ほう!そりゃ楽しみだ。皆喜ぶと思うぞ≫
≪君の料理ならば、たとえ体に悪影響だったとしても皆食べたがると思うさ≫
「良かった!」
ナマエは張り切った。いつも隊員達に料理を作る時以上に