≪……?ナマエ、どうしたんだ≫
「……別に、何でも」
膝を立てて座り込んでいるスカイハンマーの膝に乗せて貰って、休憩を取っているこの感じもなかなか慣れたことだ。
スカイハンマーの胸元にある機首、プロペラに手をやる。
スカイハンマーは少し擽ったそうに身を捩った
≪ナマエ、本当にどうしたんだ。今日は甘えたい日か?≫
「…どこでそんな言葉覚えたの?」
≪ナマエと少しでも人間の男女のような交流をしたくてな ジャズ将校に教えて貰った≫
「・・・」
先生がジャズさんか、何か先行きが不安だがまあいっか
「いや…スカイハンマーは格好良いなぁと思って」
≪……そうか?≫
首を傾げるスカイハンマーに胸が高鳴る。これが"萌え"か、と自分も間違った知識を身に着けてしまっていることに気が付いていない
≪俺よりアイアンハイド殿の方が格好良いのではないか?≫
「…どうして?」
≪武器の扱いにも長けていて、獣のような勇ましい顔じゃないか≫
「……それ、スカイハンマーにも言えることじゃない」
≪……そうなのか?≫
再度首を傾げたスカイハンマーに向き直る
「確かにアイアンハイドさんも格好いいけど、私にはスカイハンマーが一番魅力的だよ」
≪そうか。俺はナマエがこの世の何よりも魅力的に思うぞ≫
「おっ、お世辞はいいの!」
≪本音だ≫
緩く笑った口元が、見る見る近付いてくる。どこでこんなことを覚えたんだろう、と思っても私は降りてくる口付けに目を瞑って応えた