《…次に逢った時、お前は俺の敵だ》
自らが敵地であるサイバトロンの基地にやってきて、ナマエにそう言い残して去ろうとする背中を見つめる。「待って」呼び止めれば振り返る貴方が悲しい。距離を詰めようと駆け寄ろうとしたが、心臓が急に悲鳴を上げる。「……!!」無様に倒れこんだナマエに焦り思わず駆け寄ろうと体が動くがスタースクリームの最後に残った信号が告げる『――彼女は敵だ』分かっている。分かっているんだそんなこと、 悔しくて拳を固く握り締め、口を噛み締める。過呼吸を繰り返すナマエを見ていられなくてアイセンサーを逸らした。振り返らない、ふりかえりたくない、 みたくない(彼女の傍にいたいと訴える己を無視するのに自分自身が疲れるからだ)
胸を押さえ朦朧とする意識の中でも笑みが零れる。ああ、彼は本気なのだ、と。今までのスタースクリームなら自惚れでも何でもなくナマエのことを案じすぐに戻って来てくれた筈だ。しかし彼は振り返らない。進んで行く、帰って行く、戻っていく、ここではない、自分の場所へと
去り行く彼の背中に、震えながらも右手を上に上げ、その大きな背中に向けて手を左右に振った。――さよなら、スタースクリーム、
遠くの方から 私の名前を叫ぶアレクサ達の声が 聞こえた気がした