《おっ》
「あ」
暇潰しがてらに空を散策してたら意外な奴と出逢っちまった。
《よう、よう、よう!ナマエじゃねぇか!スタースクリームのコ・レ》
「…サンドストーム…」
小指を立ててニヤニヤしながら絡んだらナマエは顔にはっきりと“うざっ”って書かれてやがる。ちっ、やっぱり変な人間だな
「…良いんですか?単機でこんなサイバトロン基地の近くを飛んでなんかして。私に見つかったんだから、直に皆にも見つかりますよ?」
《おーおーおー、そいつはイケネェなあ。まあそんなことになったらテメェを人質にさせてもらうぜぇ!》
「……なるほど。ですがそんなことをして、…誰がどうなるのか保証はしませんよ」
《まっ、確かにな。おっかねぇ〜奴が一体いるからなぁテメェの近くにゃあ、俺たち側の奴のはずの奴がなぁ》
ケヘヘ、まったく愉快な野郎だスタースクリームの野郎も、こいつも。俺っちを見てビビりもしねぇんだからよ
コホ、っつー声がナマエから発せられたみたいだ。咳を繰り返すそいつを見て、前に何処かで聞いた話を思い出す。ありゃ?こいつ確か……
《良いのかー?身体の弱っちいお前さんが単独で外を彷徨いてよお》
「…基地の近くでデストロンの存在を関知したので、私が見に来たんです」
《あら、俺っちのせいだったんだな!》
「はい。なのでそろそろ帰ってくれませんか?」
《ひゃはっ!どうすっかなー!テメェを連れて帰りゃあ人質になるだろ?》
からかうように言えば、目の前のこいつは怯むことなく見つめ返して来やがった。サイバトロンの人間は皆こいつみたいなのばっかりかよ
「…そんなことしたら、あなたが大変な目に合いますよ?」
《そうかもなぁ。もうそろそろサイバトロンの奴等が基地からこっちに向かってくるかもしれね…
《ナマエ!!!!》
おお、噂をすりゃサイバトロンの奴等が……ありゃ?》
「…あ…、っ!?」
風が吹いて、目の前にいたナマエの姿が消えた。
《サンドストーム!貴様、ナマエから離れろ!》
いや、お前が目の前にいたナマエを抱えて離れてったくせに何だその言い種は、スタースクリーム
《おいおい仲間にそんな態度取って良いと思ってんのかあ?》
《黙れ!!元はと言えば、貴様が基地の近くを彷徨かなければナマエは外に出て行くこともなかったんだぞ!》
《へいへい、すんませんっしたよ、スタースクリーム様》
この過保護野郎め。その女のことになると人格が変わっちまうんだから手におえねぇ
《まっ、お前も出てきたことだし、けーるわ》
《帰れ。二度とナマエに近づくな》
《るっせぇなテメェはよ。じゃあなナマエーまたなー》
「あ、はい」
《またなんてあるか!》
あー楽しかった。アイツをからかうのもまあ楽しいな
それにしてもナマエはおもしれー人間だな。今度はアイアンハイドでも誘って訪ねてくっか。