そしてオプティマスプライムの紹介が私の後ろのもう1人の方に移る
黒く、オプティマスを除いたメンバーの中では一際大きなロボットだ
夜の帳に紛れ込みそうなほどで、その青い瞳が見下ろしてきている。
私は他のロボットには感じなかった一抹の恐怖と言うモノをその方にだけ感じてしまった
≪武器のスペシャリスト、アイアンハイドだ≫
オプティマスプライムが紹介し終えると、そのアイアンハイドと呼ばれたロボットは
腕に装着していたガトリングをクルッと回して見せる
≪今日はツイてるか?アンチャン≫
さっきのジャズは、「オネエチャン」と呼びかけたけれど、
こっちのアイアンハイドは「アンチャン」か、
金属生命体って、人間をからかうのが好きなのかしら…
そう考えていると、腕の中でずっと大人しくしていたロングビューが飛び降りた
≪アイアンハイドー!!≫
≪おぉ、ロングビュー≫
「ちょっ、ロングビュー!?」
アイアンハイドに駆け寄って行ったロングビューはそのままその大きな腕にしがみつく
私は何故か焦って呼びかけてしまった
≪久しぶりだなロングビュー バンブルビーや他のリアルギア達と一緒に行った斥候任務は上手くやってたか?≫
≪あぁ勿論さ!今はナマエのトコに住まわせて貰ってるんだけどな≫
≪ナマエ?≫
「何してるのロングビュー!降りてらっしゃい」
≪この人だよ≫
≪なるほどな…≫
「えっ?」
何か話してたのかな。そんな様子は分からなかったけど…もしかして、通信会話してた?
アイアンハイドが、じっと私を見下ろしてくる。さっき感じた恐怖が、また少し生まれた
見てくるアイアンハイドは何も言ってこない。ロングビューも何も喋らない
気まずい沈黙が両者の間に流れた時、隣に居た人が(人?)助け舟を出してくれた
≪おいおいアイアンハイド オネエチャン怖がってるぜ≫
≪何?≫
≪只でさえアンタはオッカナイ格好してるんだからさ≫
≪誰がオッカナイだって?え?≫
口喧嘩が始まってしまいそうな雰囲気になりそうだったから、慌てて否定する
「ちっ違う、ちがう!おっかないって言うか、そんなんじゃなくて…」
≪お?人間との初めての会話だぜアイアンハイド 上手くやり取りしろよ≫
≪なっ、何で俺が…≫
アイアンハイドはカッとジャズを睨み付ける。
しかしナマエが怯えるような行動を取ったのをアイセンサーがキャッチしたので、
はぁ…と深く排気を吐いてロングビューをジャズに取られながらもナマエの方を見つめる
≪………で?『そんなんじゃなくて』何なんだ≫
「…た、只ちょっと、黒くておっきいから怖いって言うか…」
≪……同じだ!!≫
「わあっ!!」
≪…あーあ≫
≪アイアンハイドもジャズもバンブルビーもラチェットも司令官も、変わってないね≫
≪そう言うロングビューも、結構明るい性格になったじゃないか≫
≪そうかな?≫
おっと、そうこうしてるウチに自己紹介がバンブルビーまで済んだようだぜ