TF女主ログ | ナノ
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君を泣かせることしか出来ないだなんて、無能もいいところだ


・インフェルノが転生してしてきた後のお話
夢主も乗組員の一人 技術者担当





「…………、」

≪……ナマエ、≫

「………………」

≪……≫

「…… … …ぅっ、」

≪!?≫



ナマエが泣き出した

いや、理由は分かっている。俺だって、泣けるのなら今大泣きしているところだ


ナマエの零す涙が頬を伝ってスーツに染みを作る
その小さな手では拭いきれない水滴を俺の手で拭い取ってやる



「……っ、ほ、」

≪ん…?≫



自分でも驚くぐらい優しい声が出た


「ほ、ほんとに…っ、インフェルノ…?」

≪ああ≫

「ほんとーに、インフェルノ?」

≪ほんとーに、俺だ≫

「でも…なんか、違う…」

≪プライマスの力で新しいボディを手に入れてそこにスパークが宿ったからな≫

「そ…っか…」



添えていた手にナマエの小さな手が重なる
温かい。ずっと、プライマスのスパークの中で焦がれていた温かみだ



≪ナマエ、会いたかった≫

「わ、私も…インフェルノとお別れするなんて…嫌で…」



ナマエの脇に手を挟んで抱き上げる。彼女は泣き顔を少しムッとさせて睨んだ



「…こんな時まで子ども扱い?」

≪たまにはいいだろう?≫

「ふふ…私、インフェルノの視界に入ってる?」

≪何言ってるんだ?お前が俺の視界に入ってない時なんて、一瞬もないんだぞ?≫

「愛されてるねー」

≪今更だ≫



ナマエが笑った。俺も、ようやく此処に帰って来られたのだと実感出来る



≪戦いはまだ続いている…俺の傍にいて力になってくれ≫

「もちろん!もう頼まれたって離れないよ」

≪そんなこと頼まないさ≫



重ね合わせたナマエの唇は、もっと温かかった