「ロングラックは、賢いんだね!」
≪……どういう意味だ?≫
「だって、学校を主席で卒業したんでしょ?」
≪ま…まぁ、な≫
「凄いなぁ アタシなんて、コビーとタメ張るぐらい阿呆なのに!」
≪威張って言うことじゃないだろう?≫
「それもそうだね」
デストロンも襲撃してこない日は、こうしてナマエと一緒に穏やかな時間を過ごせられる。それが、ロングラックが発見した新しい至福の時だ。ナマエもそう思っていてくれたら嬉しいのだが、とロングラックは笑う
≪だが、幾ら学校で主席だったとしても、実践で戦えないようでは駄目な兵士に成り下がってしまう≫
「ロングラックは、駄目な兵士なの?」
≪どうかな…自分では優柔不断なところもあると思っているが…≫
「そうかな?司令官も褒めてたよ。『ロングラックは冷静に戦況を見ることの出来る奴だ』って!」
≪本当か?それは嬉しいな!≫
ショベルアームを上下に動かして喜ぶロングラックの姿は戦闘の時と比べて別人のように明るい
「でも、セイバートロン星の学校かぁ。どんな所なんだろう」
≪…もし、セイバートロン星に戻れる機会があったら、俺が案内するよ≫
「本当っ?」
≪ああ。その為には、働かないとな≫
「楽しみ!コビー達にも言っておくね!」
≪そうだな≫
特別扱いは、いけないな、とロングラックはそう考えていた自分を自嘲した
この地球の、この少女を護る為に、今日も戦おう、とロングラックは拳に力を入れた