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大丈夫だよ、ぜったいに


彼は、同じサイバトロンの仲間で、しかも古代から戦い続け、封印されていた合体戦士らしい。
だけどその彼は人見知りなのか、恥ずかしがりやなのか、遠慮がちしいのか、いつも仲間達の輪から一歩離れたところで皆を見ているのが常だった


「……あの、スペリオンさん?」

≪…ん?…ああ、人間、の…え、と≫

「ナマエです」

≪すまない、もう記憶したよ。ナマエ、私に何の用かい?≫

「用って程じゃないんですけど、皆の輪の中に入ってかないんですか?」

≪ああ……≫



スペリオンさんはそう相槌を打ったきり、仲間達の方を遠い目をして眺めていた
どうしたのだろう?とても彼の高い目線の中に入るのは不可能であったから、大きな声で名前を呼んでみた


「 スペリオンさーん!!」

≪! あ、ああ…!≫

「どうしたんですか?」

≪…彼らを見ていると、昔を思い出してとても懐かしくて≫



表情の変化の差異は分からないが、カメラアイの光が哀しそうに揺れたのは分かった



≪…すまない、こんなこと、初対面の君に…≫

「スペリオンさん!!」

≪ん?≫

「輪の中に入っていきましょう!」

≪え? あ、お、おい…≫


勿論、私がスペリオンさんの足を押したって彼が動くとは思わない
でもスペリオンさんは一歩を踏み出した。その振動で話していた仲間達が振り返る
こらスペリオンさん!そこで目線を逸らしてどうするんですか!


「スペリオンさんが、仲間に加わりたいそうです!」

≪…!?ナマエ!?≫

≪子どもみたいな発言だな…≫

「ロードバスター?何か言った?キッカー呼んでこよっか?」

≪いえ!何も言ってませんであります!!≫

≪ははは、どうしてスペリオンはナマエにそんなこと言われてるんだ?≫

≪良いじゃねぇか!遠慮しないでコッチ来てくださいよスペリオン!≫

≪い、いいのか…?≫



勿論!との仲間達からの明るい声に、スペリオンさんが嬉しそうに口角を上げた。

よしよし、と満足そうに見ていると、スペリオンさんが屈んで来た


≪……こんなこと言うのもおかしい気がするけれど…ありがとう、ナマエ≫

「良かったですね!」

≪ああ!≫



人見知りだとか、恥ずかしがりやだとか思っていたけれど、スペリオンさんは只の思慮深い良い人だったのだ

その大きい手に頭を撫でられる。嫌な気なんて、する筈もない!