・マイクロン夢主
・ベクプラタイムリバース前の話
≪ベクタープライムさんがそこまでやる必要ってあるんですか!?≫
≪あるとも。ナマエ、君も事情は聞いていただろう?これは我々の間の問題ではない。宇宙全体の危機なのだから≫
≪でもでも…っ、ベクタープライムさんが消滅しちゃうの嫌です!≫
≪ナマエ、君は聞き分けが出来る良い子だった筈だが…?≫
≪聞き分けたくないですー!≫
同じマイクロンたちの中でもホップとはまた違った大人びた子であったが、そのナマエがここまで感情を露わにし、泣き喚いている姿は珍しい
普段から素直で聞き分けのよさを美点としているこの子が、こうなってしまうのも理解は出来る。故に苦しい
≪さぁ…もうお前もホップ達の方へ行っていなさい≫
≪!嫌ですー!≫
≪こら…!≫
正面から飛び掛ってきた小さな身体に気圧される。
しかししっかりと受け止めると、腕の中のこの子は更に泣き出した
≪要らないですぅ…昔なんて要らないからぁ、消えないでください…≫
≪…もう私も、90億年の歳月を生きた。充分だよ≫
≪私はまだまだベクタープライムさんと一緒にいたいです!≫
さてどうしようか、と悩んでいると騒ぎを聞きつけたのか、ホップ、バンパー、ブリットが慌てて駆け寄ってきた。ホップがジャンプし、抱えていたナマエを私から引き剥がす
≪ナマエ!何我侭言ってベクタープライム様を困らせてるんですか!≫
≪…… …!≫
≪… …!!≫
≪困らせてないもん!!≫
両側からナマエを押さえつけているバンパーとブリット、説教しているホップも辛そうだ
ルーツもロボットモードにトランスフォームし、計5人から哀しみの目で見上げられてしまえば、私にももうどうしようもない
≪大丈夫だ。何も私の全てが消滅するわけではない。スパークはプライマスと共に…そして何よりお前達と一緒だ≫
≪うっ…ベクタープライムさぁん…!≫
≪ベクタープライム様…!≫
≪… …!!≫
駆け寄ってきた小さな友達を抱きしめる。永く凍り付いていた"泣く"と言う行動の箍が外れてしまったのか、私も程なくして彼らの身体に水滴を落としてしまうことになる
どうか この子達の未来が
永く安寧に進み続けますように