※オリジナル設定
※思念体のような存在主
プライマス、 ―― プライマス
柔らかく、耳朶に響いて来る
転がるように弾む優しい声
とても懐かしい
とても昔に、傍にいた声だ
≪ ――…… ナマエ ?≫
そうよ、プライマス
脳の中枢に直接語りかけて来るのは
私の身体よりも何百倍も小さな身体をした少女
ぼんやりと浮かびながら、屈託の無い笑みを浮かべている
≪……… もう、君と 何年 会えていない…?≫
途中で数えるのをやめたから、私にも分からないわ
≪…… そう か だが、懐かしい な ナマエ≫
貴方はずっと星のままで眠っていたから…
≪君は どこに…?≫
私は、ずっと貴方のスパークの中で眠ってたの
≪…私のスパークの 中で…? だが、 私のスパークは…≫
そこまで言うと、ナマエは笑顔を少し歪めた
人の子と同じ形をしている彼女は、
私自身のスパークであり、
彼女自身にスパークと呼ばれる命は持ち合わせていない
不完全な存在だった
そんな彼女を創造したのは私ではない
だが私の思念の中で漂っていた彼女を発見し、保護していたのは私だ
…彼らが貴方を起こしたの?
≪ああ…そうだ≫
なら、後でお礼を言わなくちゃね……言えればいいんだけど
彼女はあくまでも私の思念の中でしか存在していない
サイバトロンの子らに彼女の存在を伝えることは出来ないだろう
ナマエは、いつも独りであった
だから私が傍にいるのだ
≪心配することは ない また私の中で 眠りに付けば良い≫
そうする……貴方の中は、とても落ち着くの
目を閉じた彼女が光に包まれる
霧散したナマエの光は、ゆっくりと私のスパークの中に戻った
スパークに、新しい温かさが生まれる
彼女の存在は私自身の温かみである
≪さぁ もう一度、眠りにつこう、ナマエ……… …… ≫
も
う
一 度
、
眠
る
彼
女
の
身
体
を
抱きしめた