・私は貴方の目の色が好きです 続編
あれから、
独りで出歩くのは危険だとニトロコンボイは今まで以上にナマエの傍についていた。
いつ奴が襲ってくるのか、それが分かればこんな苦労もしないしナマエに心労をかけることもないのに、と姿を見せない己のコピーを怨む
ダークニトロコンボイに襲われた話をすると、ローリは怒った。コビーは心配した。バドは怖がった。ナマエは無表情だった。それを 襲われた時の事を思い出して怖がっているんだと皆は同情した
惑星スピーディアで問題が発生し、リーダーの帰還を望まれた。ニトロコンボイは悩んだ
≪こんな時に問題を起こしたのはどこの誰だ…!≫
「スピーディアの、貴方の部下ですね」
≪…そうだが、≫
「大丈夫です。私も充分気をつけるから、私のことは気にせずに行って来て下さい」
≪……すぐ戻る≫
何かあったら呼んでくれ、直ぐに駆けつける
そう言い残してニトロコンボイはスピーディアに向かった
消えて見えなくなったその背中を見ていると、エクシリオンが笑った
≪安心してくれナマエ 何も、お前を護るのがニトロコンボイだけってわけじゃねぇぜ?俺もいるからな!≫
「ありがとう、エクシリオン。心強いよ」
でも、向こうもちょっとやそっとじゃ襲っては来ないだろう
一度出し抜いたとは言え、あれほどニトロコンボイにオリジナルの強さを思い知らされていたのだから。とナマエは楽観的に考えていた
≪何だ。独りなのか?オリジナルの奴はお前を放って何処へ行ったんだ?≫
「…………、うそ」
出会ってしまった
学校帰りの、ローリとコビーが先生に呼び出されて独りで後門の前で待っていたら出会ってしまった
学校に不釣合いすぎる黒と紫のカラーしたビークルのライトが不穏に光った
逃げようと後ずさるが、すかさず回り込まれてしまった
≪逃げるのか?無駄だがな≫
「…!」
車内に引きずり込まれる。一部始終を見ていた生徒達に助けを求めることは出来ない。彼らが危険な目に遭ってしまう。だからどうか、 誰でもいい、ローリかコビーに伝えてほしい。デストロンのダークニトロコンボイに連れ去られてしまったと言う旨を
前みたいに廃墟に連れて行かれるのかと思ったが予想は外れ、街を展望出来る高台に連れて来られた。意図は分からなかったが、車から降りて楽にしていろと言われたので大人しくベンチに腰掛ける。その隣の芝生に、ロボットモードになったダークニトロも座り込む。ナマエは疑問を問いかけたかったが、とてもそんな行動には移れなかった
「………今日は、この前より幾分穏やかですね…」
≪オリジナルが居ないんじゃ、お前を襲う理由もないからな≫
「……何かあったんですか?」
≪どうしてそうなるんだよ…≫
苦々しげに吐き捨てたダークニトロだったが、ハタと思いついたのか、顔を歪めながら嘲笑した
≪……フン、こんなところまでオリジナルと一緒なのか…≫
「え?」
≪煩い。何でもない≫
「は、はぁ…」
マッハショットを向けられては黙るしかない
いつまでこうしているんだろう。動き出す気配もないし、デストロンの誰かがやってくるのかと思えばそうではない
こっそりダークニトロの横顔を盗み見る
本当に、よく似ている
「…………」
≪…………≫
2人きりで居辛くないのは、やはり彼もニトロコンボイだからなのだろうか