TF女主ログ | ナノ
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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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涙を拭いて血液の流れに背け






絶対に失いたくない大切な存在だった。大切で、大好きで、自分の気持ちを明るくしてくれて、不安な時に傍にいて、自分を護ってくれる大切すぎる存在だった。私が彼を好きになるまでに時間は掛からなかった。私から、惹かれるようにして『彼』と言う存在に惚れ込んでいった。種族の違いなんて関係ない。溢れる眩しい笑顔は人間のそれよりも素敵だと想った。速くなることに全てをかけるあの直向さや努力を惜しまないところが好きだ。それが、仲間である者達との衝突の原因の1つになったことがあっても、それを逆転して勝ちを得る、そんな彼を純粋に素敵だと想った。無鉄砲なところもあったけど、どんなに戦いがあっても、≪ナマエ!デストロンの奴等を蹴散らしてきたぜ!≫と笑顔を浮かべながら帰って来てくれたのだ。あの時、あの時、その時、伝えたい言葉はいつも口の後ろすぐすこまで競りあがっていたのに、そんなことに現を抜かしてるのは自分だけだと思うと、酷く己が惨めな存在にも思えた。でも、たとえ惨めでも全てを伝えれば良かったんだ。大好きだと、心から貴方が好きです、と、













涙で視界がぼやけるのは何故だろう。


彼が帰って来てくれたからだ。よく見えないけれど、絶対彼だ


少し見た目が変わってしまった。


でも気にするものか、だって





≪ナマエ!約束どおり、ちゃーんとお前の所に戻ってきたぜ!≫




そう言って笑う顔は、いつものエクシリオンの笑顔だったのだから