「ドレッドロックは、どうして注射が苦手なの?」
≪に、苦手なわけじゃないぞ?ただ嫌いなだけだ≫
「何が違うのよ…ねぇナマエ」
「ローリだって昔は予防接種の前日にビービー泣いてたでしょ」
「ナマエっ!」
「へぇー…」
「コビーにやにやすんなっ!」
また言い争いを始めた2人に巻き込まれないように離れる
仲介役のバドはホップ達と出かけてしまったし、私にはあそこに入ってく勇気はない
≪そうか…あのローリもワクチンが嫌いだったんだな…≫
「私もどっちかと言うと嫌いかも…怖くはないけどね」
≪誰だって、刺さる時のあの痛みは嫌いだろう…?≫
確かめるように、そんな不安げに訊かなくても
「……そうだね…誰でも、嫌いだと思うよ」
≪そうだな…そうだよな!!≫
いつの間に喧嘩を終えたのか、ローリとコビーが
急に元気になって足取り軽くメインルームから出て行くのを怪訝な目をして見送っていたのに笑った