TF女主ログ | ナノ
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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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わたしの心臓をあっさり食べちゃうきみがずるい


酷い話だ


「ナマエ、女の子だったんだ!他のみんなとの違いが分からなかったよ!」とはバドの言った言葉だ。危うく怒鳴りそうになった口を、危うく引きつらせる事で回避した。

我々が地球に移住するようになってもう短い時間ではないと言うのに、今更、そう今さらバドはそんな事を言うのだ。
自分としては、バドのことをそれなりに気遣って、戦いから護っていたつもりだった。人間の中でも最も幼い存在、小さく若いバドの姿は、トランスフォーマーである自分から見てとても庇護欲を掻き立てられていた。いや、寧ろ母性に近かったかもしれない。それなのに。


「バド!あんたそれ酷いわよ!」気付いてなかったのあんただけよ!《バド、それはナマエに失礼だぞ》確かにナマエは勇敢な戦士だが!

助け舟らしいものを出してくれたローリとドレッドロック副官の言葉は有難かったが、やはりバドに指摘されたことへのモヤモヤが収まってくれない。母性だ庇護だなんだと浮かれていたのは自分だけ。それが恥ずかしかった
確かにバドは幼い。まだ、人間の女性でさえもよくは認識出来てないのだろう。それでも、それなのに、でもしかし、だ。



《バ、バド!》
「ナマエ〜」
《さっきの言葉、あんまりじゃない!私のこの喋り方も、振る舞いも、あなたの目には「女性」としては見られなかったってことでしょう?》
「ゴメンねナマエ。ボク、酷いこと言っちゃって…」
《あ、謝ってもらいたくなんて…》
「でもナマエのこと、可愛いなって思ってたのは本当だよ!」
《…えぇ…っ!?》


ナマエが女の子だって分かって良かった!これで、これからは堂々とナマエのこと大好きって言えるね!



これは、さっきの事を有耶無耶にしようとする、バドの作戦かしら。だったら引っかからないようにしないと。スパークが熱くて、今にも落ちてしまいそうだ