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君が隣にいてくれるから


「リジェ?」


今日は天気もいいから、サイバトロンの皆とスパイク達とでバスケしよう!そうしよう!!とコンボイ司令官が提案したので、今日は全員でバスケ試合をすることになった。私はたまたま遊びに来ていただけだったのだが、司令官にナマエもどうかな?と言われたので成り行きで参加することになった


続々と、やる気だったりダルそうだったりしている仲間達が集まってくる中で、どこを探しても見当たらない姿がある


「司令官、リジェはどこですか?」

≪む?見当たらないかな?基地にまだいるのかもしれないな≫

「呼んできます!」

≪ああ、頼んだよ≫




基地内を隈なく探してみたが、リジェの姿だけ見当たらない。擦れ違ったハウンドにリジェの所在を尋ねると、何故か含み笑いを返された。どういう意味だろう



「…リジェ〜…?」



皆が出払ったサイバトロン基地は静かで少し淋しくなった。最後の呼びかけにリジェが応えなければ、もうリジェを放って外に出ようと決め、声を張り上げる



「リージェー!!」


≪呼んだかなナマエ≫


「わぁっ!?」



驚いて飛び上がったのも無理はない。急に肩に手を置かれて名前を呼ばれたのだ
しかし声に聞き覚えがあって振り向くと、リジェが暢気な顔してやあ、と手を上げていた



「リジェ!今まで何処にいたんですか?ずっと探してたのに」

≪ナマエの後ろだよ≫

「え?」

≪ずっと姿を隠してナマエの後ろを付いて回ってたんだよ」

「な、なんでそんなこと!」

≪私を探してくれているナマエを見るのが楽しくてね。ああ、ハウンドは気付いてくれてたよ≫

「え!」



だからあの時ハウンドは私に向かって笑ったんだ。探し人は君の後ろにいるんだよ、って言う意味を含めて

そうなってくるとリジェばかりかハウンドにまで腹が立ってきた



「すぐ声かけてください!」

≪ごめんごめん≫

「もうちょっとでリジェを放って行こうとしてたのに…」

≪だから慌てて声をかけたんだよ≫

「……遅すぎるんですよ!」

≪ははっ、怒らないでくれよナマエ さぁバスケコートに行こう。皆もう始めてるかもしれないからね≫




乗りなさい、と両手を差し出される。まだ怒ってるんですよ!と言う感情を込めながら睨んでも、リジェはニコニコと笑っている。しょうがないので、差し出されたままの手に寄りかかるようにして座り込む。端から見れば横抱きにされてる状態だ。偉そうな態度をしているとも言う



≪やれやれ、私のお姫様はえらくご立腹だね≫

「…お姫様って何ですか、えらくご立腹って誰のせいだと思ってるんですか、って言うかそっちは外じゃなくてコンピュータールームですが…」

≪ナマエは私の大切な人だからね、君を怒らせたのは私のせいだね、外に行かないのはこのまま君と二人きりでゆっくりしようと思っててね、 ナマエのご結論は?≫

「………賛成です」



二人でゆっくりした時間を過ごしたいと言う想いは既に見抜かれていたようで、バツが悪くなった私はリジェの手の上で不貞寝を決め込む。優しく揺れる心地よい振動が、私の眠気を刺激したのだ



≪…眠るのかな?≫

「……少し…だけ、」

≪そうか おやすみ、ナマエ≫

「…… …… …」




遠くで、バスケの試合中であろうコンボイ司令官達の声が聞こえた気がしたが、私の意識はゆっくりと沈んで行った。

目を覚ました時、リジェが私を覗き込んで笑っていたことを覗けばとっても良い時間だった