普段の恐竜のままの姿だったならば、私もこれほどまでに恐怖したりはしなかったのだ
「え…と、グリムロックさん?それは…その…どういう意味で」
≪ソノママノ意味ダ!≫
今、グリムロックは別に戦いも起きてないし、命令があったわけでもないのに
ロボットモードにトランスフォームしていた。
恐竜モードの時とは違い、マスクオンしている顔は格好いいし、ぶっちゃけて言うと私の好みだったのだが
先ほどグリムロックが私に言った言葉が今何よりもの問題になっていたのだ
≪ナマエヲタベタイ≫
そう。彼は確かにそう言ったのだ
「………食べられちゃうのは…その…すごく困る、かな…?」
≪ナンデダ。オレ、グリムロック。意味ガワカラナイ≫
「う、うーん解んないかなー」
≪ナマエ!タベタイ!≫
「ひぃっ!」
そんな言葉言っていきなり顔とか近づけられちゃったら恐いに決まってるでしょ!
だからそんな 怯えられた… みたいな感じに落ち込まないで欲しいんだけどな!
「わ、私達って友達だったよね!?」
≪オウ!ナマエ、グリムロック、トモダチ!≫
「な、なら何でグリムロックは私を食べちゃっても良いって思ってるわけ?」
≪オレ、グリムロック。ナマエガ 好キダカラ タベタイ!≫
「………ワッツ!?」
グリムロックに身体を掴まれて、顔まで運ばれる。
暴れて抜け出そうとしたが、グリムロックに力で敵う訳ないのだ。メガトロンよりも強いんだよ!!
「お、お願いグリムロック!考え直して!」
≪ナンデダ?ナマエ、オレノコト嫌イカ?≫
「好きだよ!だからこれからもグリムロックと一緒にいたいのに、食べられちゃったら一緒にいられないじゃない!」
≪ソレハオカシイ。ホイルジャック言ッテタ。ナマエタベタラズットナマエトイッショニイラレルって≫
「(な、なにー!?)」
あのマッドサイエンティストロボは何をグリムロックに吹き込んだんだ!何だそのヤンデレ思考は!要らん知識ばっかりグリムロックたちに教えて!
「ま、待ってグリムロック!私のこと食べなくても、ずっと一緒にいられる方法はたくさんあるから!」
≪ナニ?ホントウカ?≫
「ええ 本当よ!グリムロック、私とホイルジャックの言葉、どっちを信じるの!?」
≪ナマエ≫
「よし良い子!!」
地に足がつけられたことがこんなに喜ばしいことだったなんて
グリムロックはしっかり気が変わったようで、ロボットモードからいつもの恐竜モードへとトランスフォームした。ああ、何でこの姿にこんなに安心するのだろうか
≪ナマエ、オレノコト、スキッテイッタ≫
「え、う、うん 好きだよグリムロック!」
≪オレ、ナマエノコト 大好キ!ウレシイ!≫
「…か、可愛い……」
擦り寄って来てくれるグリムロックは大変可愛らしいのだが、
今の私の頭の中はどうやってホイルジャックをとっちめてやろうかと考えてばかりいた
(ホイルジャーーーック!!!)
(≪な、何だねナマエ君!?あああ我輩の研究作品があああ≫)
(あなたねぇ!グリムロックに変なこと教えないでよ!)
(≪はて 変なこと?≫)
(とぼける気!?)
(≪ま、待て!変なこととはどのことだ!?あれやそれやこれやどれだ!?≫)
(………そんなに教えたの!?)