≪困ったわね困ったわね困ったわね困ったわね困ったわねー!!≫
「ねーねーねー!」
≪ナマエ、打開策とかとかとかとかとか浮かばないないないないないない!?≫
「ナマエ浮かばないないないなーい!」
ウルトラマグナスの執務室前でブラーが頭を抱え長い廊下の隅から隅を走り回りながら叫んでいる。小さなナマエはブラーに踏まれないようにドアの前で大人しくそんなブラーを見守っている
そろそろブラーが廊下を往復した回数が200回に到達しようとした時、
ナマエが凭れ掛かっていた執務室のドアが開いた。
寄りかかっていたナマエは支えてくれるものがなくなり、後ろに倒れこみそうになったが、それは執務室から出てきた者の手によって支えられた
≪…ブラー、先刻から一体どうしたんだ。ナマエまで連れて≫
「あーウルトラマグナスさん!こんにちはちはちはー!」
≪ああこんにちはナマエ≫
≪ウルトラマグナスそれがねそれがねそれがねー!≫
≪…ちゃんと話しなさい。見ろ、またナマエが君の真似をしているじゃないか≫
四六時中ブラーに付いて回っているナマエはブラーの口癖が気に入ったらしく、真似て喋るようになっていた。それにウルトラマグナスは溜息を吐いて、また走り出しそうになっていたブラーの肩を掴んで引き止める
≪で、何が困ったことなんだ?≫
≪あ、そうそうそうそう!それがね、アタシとナマエがさっきドライブしてたしてたしてた時のことことことことなんだけどねねねね?≫
≪ああ≫
≪いつもいつもみたいにロディマスとダニエルが釣りしてたのしてたのしてたの!≫
「そしたらねー!ブラーが高速で2人の横を通り過ぎちゃったせいでダニエル君が風圧で池の中にポシャン!って!」
≪な、なんだって!?≫
「それでね、ダニエル君、クシャミが止まらなくなっちゃって…風邪引いたのかも!」
≪そうなのそうなのそうなの!≫
≪…………はぁ≫
ウルトラマグナスは首を振って、事態の整理に努めた
ブラーにも、勿論ナマエにも罪はない。だがダニエルが風邪を引いてしまったとなればダニエルのご両親が心配する
直ぐに、人間用の風邪薬を調達しなければ
≪…分かった。此方で何とかしよう。ブラー、もう気にしなくても大丈夫だ≫
≪わー!ありがとうありがとありがとウルトラマグナス!!≫
「良かったねブラー!」
≪ほーんとほーんと! じゃあウルトラマグナス、アタシ達ドライブの続きに行くからからからからから!≫
≪あ、ああ……≫
「行って来ますウルトラマグナスさん!」
≪…ああ、うん 楽しんでおいでナマエ≫
「はーい!」
トランスフォームしたブラーに乗って、此方に手を振ったナマエが見えたのも束の間
2人の姿は直ぐに消えていった
出たばかりの執務室に再度ウルトラマグナスは足を踏み入れ、至急、地球にへと連絡を繋いだのであった