ナマエが星空を見たら自分が夜空の一部になったような錯覚に陥ると以前呟いていたのを思い出す。
『綺麗だ』
報告も済ませ、点検も終えた。余ってしまった時間をどう過ごそうかと考えていると、
ナマエの言っていたことを思い出したから少し基地の外にロボットモードで出てみた。
隊員達が未だ忙しなく動くのを足元に感じ、基地の近くにある小高い丘に上がる。
真っ暗闇の空に広がり輝きを放つ無数の星々
我々からしたら、なんでもない、ただの宇宙の広がり
しかし、人である彼女達からしたら、宇宙というものは神秘でしかないという
行こうと思えば行き来出来ない場所ではない宇宙に憧れを抱く人間達を馬鹿にすることは絶対にないだろう。
手の届かないものに憧れを抱きそれを欲するという欲望は分からないでもなかった
ナマエも、宇宙にいつか行ってみたいと願う者たちの一人であったか
空を見るのが好きらしく、任務が終わればいつものように此処に来て空を眺めている姿を後ろから見つめることも多い。
《…………》
いつか、
彼女を連れていってあげたい
あの無数の惑星から成る空に
彼女が宇宙に恋焦がれるならば、
私がそれを叶える存在でありたい