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今も色褪せない


ナマエをチキュウに残してもう何年経ったのだろうか

時間という概念にあまり固執しない我等種族では、
あちらの星で幾らの年月が過ぎたのか知りえることは出来ない


ただ、俺はずっと"一日"たりともナマエを忘れたことなどないとだけ伝えておこう

忙しく、全てを忙殺されそうな毎日に、脳裏を掠める映像に映っているのはいつもナマエ

笑っている顔、泣き出しそうな顔、少し怒っている顔…

ナマエが俺に「好き」と言ってくれたときの映像は、何回も何回も再生している
ナマエの全てが今の私の糧に近かった



会いに行けるわけもない。あのメガトロン様がそのような私事を許してくれるだなんて端から思ってなどいない


最後に会った時、アイツは確か大学生だったはずだ

今は、何をして毎日を過ごしているのだろうか

夢であったという研究員にはもうなれたのか

俺のことなど忘れ、もう別の人間と暮らしているのだろうか



それを考えた時点で酷くスパークが疼いた。イラついているらしい
当たり前だ。アイツが俺以外の者と幸せになるなど、断じて許せない


嗚呼もう一刻でも早くチキュウに行きたい。ナマエを確認したい
今でも俺のことを覚えているのか知りたい



いやしかし仮にアイツが俺のことなどもう忘れ去ってしまっていたら
そうだったのなら情けないが最初から行かない方がマシだ。ああまたこの考えにたどり着いてしまった堂々巡りではないか





《スタースクリーム》
《………なんだブラックアウト》




再生していたナマエの映像を遮断する。邪魔をしてきたブラックアウトを思いっきり睨みつけるが素知らぬ顔をされた。腹立たしい!




《メガトロン様がお呼びだ》

《………》

《…また何かやらかしたのか》

《何もしていない!》





まったく!君主に文句を垂れたいがそんなこと出来るわけもなく、意味もなくブラックアウトを罵る。腹が立ったのであろうブラックアウトに思い切り背中を蹴られた。この野郎




またな、ナマエ




そう映像の中のお前に呟く。映像の中のお前は、一生変わらない姿で笑ってくれた