俺はサウンドウェーブのようにガツガツと突撃してはいけない。大体あの男は突撃のしすぎで相手の女に若干引かれている節がある。俺はそうはならない。なりたくない。どんな理由だろうと、ナマエからああ言う風に接せられるのに、生憎俺のスパークは耐えられるようには出来ていない
だから俺は今日もこっそりと街角の隅からナマエを見守る。見守る。監視しているんじゃない決して、決してだ
「あれ?もしかしてサイドウェイズ?」
≪!!≫
だが幾ら車に擬態して雑踏に紛れようともこうしてナマエには直ぐに見つかってしまう
それがいいことなのか悪いことなのか、
「任務の途中?」
≪あ……い、いや、そう言うんじゃない≫
「じゃあどうしたの?こんな街中で…」
≪……お、≫
「お?」
お前を迎えに来たんだ。徒歩で家に帰るのは辛いだろう?
俺に乗ってけば良い。なに、俺のシートはいつもナマエの為に開けてるんだぜ?
言 え る か ! !
≪お、お前には関係ない…!≫
「そっか…」
あああああああああバカバカバカバカバカバカ俺のバカバカバカバカ!これじゃCHICKENと罵られてもしょうがない!俺が只のCHICKENだからって、ナマエにこんな顔させていいはずがないんだ!だがしかし!無理なものは無理!こんなことは俺のブレインにはインプットされていないんだから!
「じゃあ、私はそろそろ帰るね。頑張ってね、サイドウェイズ」
≪あ…!≫
「ばいばーい」
ヒラリと振られた手が寂しい
今日も俺は、ナマエの背中を見送ることしか出来なかった、伝えることが出来なかった