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恋の呪文を教えてあげよう




≪人間の女は裸体にエプロンを着ると言うのは本当か?≫

「違うわ」

≪…仮にそれをしたとして、それは何になるんだ?≫

「そりゃ男性達がよろこ……知らないわよ!!」



時々確信犯なんじゃないかと疑ってしまう
最近の私の記憶の半分はジャズで埋め尽くされていた
四六時中ジャズのことを考えているわけじゃない
顔をあわせる時間は多くは無い
しかしこうして会った時に交わす会話が印象的すぎるのだ



「…ジャズ、いい加減に若い男性隊員達と会話するのはやめなさい?妙な知識ばかり植えつけられてちゃ駄目じゃない」

≪そうなのか?でもアイツ等色んなこと教えてくれるぜ?≫

「…たとえば?」



嫌な予感しかしないが、一応聞いておかないと何を吹き込まれてしまったのかが気になる



≪クリスマスって日までに恋人を作らねぇと、むさ苦しい男の園に放り込まれて酔い潰れるまで飲み明かさなくちゃならなくなるんだろ?そんでリア充、とか呼ばれる人種の奴等にひたすら呪詛の言葉を吐き続けるっつー…≫

「ジャズ、もうあの人たちと付き合っちゃ駄目」

≪マジか≫



地球、総じて人間達に関わる知識や話は豊富に取り入れようとしてくれているオートボットの面々になんてことを吹き込んでいるんだろう!
なまじ覚えが良すぎるだけに、教えられたことはきっと簡単には忘れてはくれない人たちばっかり!



「…それだけ?他にはもうない?」



内心うんざりとしながら続きを促す
ジャズは暫く考え込んでいたが、ああ!と思い出したようで、
何故か跪いて私と目線を合わせてきた。何だろう


「……?なに?」

≪知ってるか?ナマエ≫

「?」

≪好きな奴と見詰め合ったら、素直にお喋り出来なくなるらしいぜ≫



ジャパンのシンガーが歌ってた、ってコールズが言ってた



「…え、」

≪でも俺にはよく解らねぇな 好きな奴と目を合わせあってさ、二人で会話が出来た方が何十倍も嬉しいのにな?出来なくなるなんて、勿体無いと思うだろ?好きな奴とはさ、ずーっと話してたいよな?≫

「え…あ、…ああ、そ、そうね」


話せた方が、嬉しいよね。と、何とかそれだけ返事をすると、
ジャズの細い指が私の体をそっと掴んだ。落ちないように幅の広い肩に乗せられる


≪…だからさ、ナマエ 俺と、ずーっと お喋りしてよーぜ?≫



それは、私は良いように解釈してもいいのだろうか