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愛らしく恋らしい




声高々に言うべきことでもないが、俺とナマエは恋人同士なのかもしれないあ、言ってしまった

地球に腰を据える為にまず必要なのはこの惑星に棲む下等せいb…ではなく"人間"との交流を図ることだ――メガトロン様がそう仰るのならば、それがどんな命令であろうと完璧に遂行する。それはサウンドウェーブがディセプティコンに加入する時に命じた自分への誓いだった。手近なところから軍の人間と、そしてなるべく自分と思考回路が合致し合う者と目を付けたのがナマエで、理由はそれ以下にもそれ以上にもなかった

しかし、このナマエが何ともかんとも如何しがたい奴だった
人間の女性と言うものはその年齢関わらずかしましいモノだとデータとして認識していた。サミュエルと呼ばれているあの人間の小僧の母親然り


それがどうだこのナマエ。
一日の平均単語数15前後・一日の平均会話時間5分・一日の平均笑顔回数0.5回 口角を上げてくれれば満点

サウンドウェーブ自身が言う事ではないが、物静かな性格にも程がある
他の奴らと交流を持っている人間は男女問わずそれなりに上手く行っていると言うのに、明らかにサウンドウェーブとナマエ、この区画だけ流れている空気がおかしいのだ


自ら進んで会話したいと言う性格ではないサウンドウェーブだったが、これは自ら喋りたくもなる。あまりにも無言。あまりにも静寂

そんなにも耐えられないのなら、パートナーを変えればいい。そう言ったのは果たして同僚だったか部下だったか
しかしサウンドウェーブはパートナーをナマエから変えなかった
散々言っては来たが、決して居心地が悪いわけではないのだ
普段こんなにも寡黙なナマエが、ふとした時に見せる優しい微笑は、なかなか堪らなかったりする



「…サウンドウェーブ?」
≪―――なんだ≫
「……静かだったから」



それをお前が言うのか、と普通ならなるだろうが、
ナマエが自分の心配をした、と考えたサウンドウェーブは気分が良い



「……怪我でもしてるの?」
≪いや、異常なしだ≫
「そう……」



"良かった" あぁ、ナマエが笑った。長い月日をこうして過ごして来た自分にくれるナマエからの褒美のような
ほんの少し口角を上げただけの表情も、目元まで緩められると温かい微笑だ
ブレインのメモリーにナマエのたまの笑顔を録画すること45回目

サウンドウェーブは、自分でも自覚がないぐらいには、ナマエと言う静かな女性にベタ惚れだった