TF女主ログ | ナノ
×
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -
そうしてやっぱり君に落ちる


フリリク作品






要請があった場合のNEST基地は24時間体制で動き何処へでも駆けつけ戦うが、何もない場合は基本的に夜は自由行動だった。鍛錬したり、研究したり、なかなか会えない人に連絡を入れたり、観たかったテレビを観たり、各々のしたい事に時間を費やしていた。



ナマエも今日の分の課題を全て終わらせたので夜に自由時間を確保することが出来てご機嫌であった。それは相棒のスカイハンマーも一緒だったようで、今もナマエを両掌の上に乗せて片膝を立てて座り込み、ニコニコとその口元を緩ませ、バイザーの奥のアイセンサーは楽しそうに細められているが、それは他者からは窺うことは出来ないスカイハンマーの"ご機嫌"であった



「スカイハンマーもご機嫌だね」

≪…やはり、分かるか?≫



しかしその分かりづらいスカイハンマーの機嫌もナマエには感じ取られてしまうのだが。



「ええ、だって口元が笑ってるもの」

≪ハハハ、そうか≫

「バイザーの下も笑ってる?」

≪……どうかな、確認してみるか?≫



穏やかに笑っていた口元を誘うように吊り上げナマエに顔を寄せる。
近くなったスカイハンマーとの距離にナマエは少し顔を赤らめた。
余裕そうなスカイハンマーのその感じが、何故か無性に悔しくなった
そこでナマエはあることを閃く。ニコリと笑ってスカイハンマーに自身も顔を近づけた



「……ねぇ、スカイハンマー?確認するのも良いけど…」

≪な、…何だ?≫

「…キスしてもいい?」

≪…っ!≫



スカイハンマーの口元を見つめながら言えば、スカイハンマーは羞恥で耐え切れなくなったのかギュッと口を引き締め、少し下を向いた。追い詰められたら下手になってしまう彼の性格が可愛くてニコ、と微笑む。そして顔を近づけ、お互いの唇が後3cmでくっつきそうな位置まで来ると、ナマエは、パッと手を出してスカイハンマーの目を覆う黄色いバイザーを上に押し上げた。



≪…… あ、れ?≫

「あ、やっぱり笑ってるね」



露になったスカイハンマーの目には、期待と喜びが映っていたが、事態を把握すると困惑と驚きに変わった



≪っ、ナマエ…っ!お、お前、俺をからかって…!≫

「ごめんねスカイハンマー、さっきのお返しです」

≪…〜っ!駄目だ!≫

「え…?  ――っ!」



手を添えられて引き寄せられ、スカイハンマーの顔が眼前に近付き、勢いよく唇を押し付けられた。突然の行動に驚き、呼吸が上手く出来ない。酸素が足りないことから生理的な涙が流れ、目を開けるとスカイハンマーも此方を見ており、その瞳が楽しそうに細められた



ああ、やはり彼には勝てないな、

恋人の口付けを甘受しながらナマエはスカイハンマーに、酸素が欲しい、と強請った