TF女主ログ | ナノ
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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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きみはともだち


!フリリク企画作品

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ドレッドロックとの最初の出会いはもう何万年も前のことなのでメモリーには残っていないけれど、確か初めて交わした言葉は≪あなた飛べるの?≫≪飛べるが…?≫だったように思う。

それまでエアーボットタイプのトランスフォーマーと交流することがなく、飛行能力を有している者に興味津々だったナマエからの矢継ぎ早の質問にも、一問一答、真面目に答えていたことから分かるように、ドレッドロックは昔からドレッドロックだった。
少々堅物で融通の利かない若者、と評価されることも多かった。けれど年が近かったので顔を見れば他愛のない話をしたし、宇宙談義、惑星問題、戦場での作法や兵法まで何でも意見を交し合う。ナマエとドレッドロックは、良い仲を築いていた。

時には、数少ない友人として。
時には、適当なナマエを諌める上官として。
時には、自由奔放なナマエを御する親友として。









大きな体を窮屈そうに収めながら、真剣かつ真面目にメインモニターを注視しているドレッドロックの姿を横目に映して、ナマエはずっと思っていたことを口にしようとした。


≪ねぇドレッドロック≫
≪駄目だ≫

しかしそれは、察しの良い親友にはバレているらしい。

≪……まだ何も言ってないけど≫
≪そりゃあ分かるさ。"外に出かけたい"と言うつもりなんだろう? 駄目だ。 私とナマエは今日一日、メインルームでモニターとレーダーの監視任務だと総司令官から言われたろう≫
≪でもエクシゲイザーはコビー達を連れてドライブに行ってるわ≫
≪そりゃあ、彼の今日の任務は子ども達の相手だからな≫

ぶすくれたナマエの方を見向きもせず、コンソールを叩く

≪……理不尽だ≫
≪何を言う。それぞれに適した役割があってのことじゃないか≫
≪…堅物ー≫
≪お好きに言ってくれ≫


ソニックボンバーと共に、地球のサイバトロンチームへと加勢をしに来たことで久々に再会をしたと言うのに、この対応。

他のサイバトロンたちが何かしらの形で姿や名前を変えているにも関わらず、ドレッドロックは清清しいまでにドレッドロックのままだ。
久しぶりの再会当初はその変わらぬ事実に安心感を覚えていたナマエも、時が経てば「相変わらずだ」と嘆息したくもなる。


≪…地球探索だってまだマトモにしてないのよ? 分からないかな、この考え≫
≪いや分かるぞ?地球は素晴らしい惑星だからな。見て回るべき要所がいくつもある≫
≪じゃあ…≫
≪けど、それとこれとは話は別だ!≫


腰に手をあて叱ってくる様子もまた懐かしい。セイバートロン星にいた頃、何度同じ姿のドレッドロックに怒られていたかを思い出した。


≪ナマエ!君はいい戦士だがもう少し注意力を養って、その飽きっぽいところを治すべきだ!≫
≪もー!スパークに染み付いてる性格をそうホイホイ治せるんだったら私だって治してるわよ!ドレッドロックに小言貰わないようにするためにね!≫
≪わ、私は君の為を思って言ってるんだぞ!?≫
≪知ってる!そこでうろたえないでよ、面倒だから!≫



≪おい二人とも? 喧嘩してないで、ちゃんとモニターを見てたのか?≫


≪ファ、ファストガンナー! あ、ああもちろ≫
≪嘘。今は私の方見てたからモニターなんて見てなかったよ≫
≪だろうな≫
≪い、いやこれは、≫


命令を放棄してるとかではなく、その、ただ少し言い合いをしていたというか、
 
律儀にドレッドロックは謝っている。そんなことファストガンナーも分かっているのに。
≪やれやれ≫
口元に薄く笑いを浮かべたファストガンナーが、ナマエに言葉をかける。


≪久々の友人を困らせて楽しむのは、良くないことだぞナマエ?≫
≪そんなつもりはないけど……でも楽しいのは事実かもね≫


――だってドレッドロック、付き合い良いんだ


軽い言葉には、彼女からの より沢山の"親愛の情"が込められていた。













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◆女TF主でギャラクシーフォース・ドレッドロック 幼馴染or腐れ縁


リクエストありがとうございました!