グリッドは可愛い
もう私の頭はそれで一杯だった。よく見ると愛嬌のある顔をしてるし、目は円らだし、動きも可愛いし、全てが可愛い。こうなってくると最早マイクロンが何なのかと言うことを忘れてしまいそうだ
「…あなた、スタースクリームの相棒で、苦労してない?」
『〜〜』
「そっか…」
首を振ったグリッドに、安心する。もし酷いことされていたら、スタースクリームへの印象が大きく変わるからだ
「いい人?スタースクリームって」
『!』
「そっかぁ……私も、スタースクリームと、友達になれると思う?」
『〜!』
「…ありがとう、グリッド」
道すがら、私の名前を教えてみた。マイクロンたちの言葉では私の名前はどう言うの?と聞いてみたところ、よく分からないが電子音でグリッドは私の名前を呼んでくれたらしい。それだけで心躍った
「わぁ〜…ありがとう、グリッド」
『〜〜』
もう心はグリッド一色に染まりつつあった。そこに…
≪グリッド!!≫
「−−−っ!!?」
『〜〜!』
グリッドが嬉しそうな電子音を鳴らして振り返る。
私は恐ろしくて、ゆっくりと振り返る。そこにいたのは、私達が探していた存在だった
「…ス、」
≪…ん?お前……グリッドを連れてきてくれたのか?≫
「あ……う、うん…」
『〜〜!』
≪そうか…≫
私の手をそっと離したグリッドがスタースクリームに駆け寄る。ちょっと喪失感
≪迷惑かけたな≫
「い、いや…だ、大丈夫…」
≪……何故そんなに怯えてる≫
「っ!?」
鋭いスタースクリームに足が竦む。何でこうなってしまうんだろう
「だ、だって……」
≪ん?≫
「私は…皆と違って、ただの人間で……あ、そういう人間を凡人って言うんですけど…」
≪……だから何が言いたい≫
「え…」
あれ?
「…軽蔑、しないんですか?」
≪…は?何故、私が出会って間もないお前を軽蔑せねばならないんだ≫
「・・・・・」
≪それにグリッドの面倒を見てくれたんだろう?≫
「…あ、はい」
≪…礼を言うぞ、………お前、名前は?≫
「・・・・・・え、」
≪…ん?ああ、良い。グリッドが教えた …ナマエ、か。世話になったな≫
「…っ!!」
何でだろう。グリッドの時よりも、衝撃が強い。胸を鷲掴みにされたような、そんな感じだ
「あ、ス、スタースクリーム、さんっ!」
≪…さんは止めろ≫
「…スタースクリーム、さん」
≪……お前な≫
「うっ…」
≪…お前のような人間もいるんだな …おいグリッド!≫
グリッドがスタースクリームから離れて私の方に駆け寄って来る。
「…グリッド?」
『〜〜!〜』
「??」
≪………グリッドが、お前を好きだと言っている≫
『〜』
「…ええぇっ!?ほんと?グリッド」
『〜!』
「わ、私もグリッド大好きだよ!!!」
≪・・・・・・何なんだ、お前等≫
呆れたようなスタースクリームの声を背中に受け止めながら、私とグリッドは何故か熱く抱擁を交し合った。グリッド可愛い!