NESTの一画で、何とも小規模な爆発が起きる。被害者は女性研究者一人。曲がりなりにも加害者となったのはオートボットのメンバーの一人
≪ややや!申し訳ないよナマエ君!怪我はないかい?≫
「白衣の裾が焦げました!」
≪なんと!すぐに替えを貰ってこよう!そこでじっとしているんだよ!≫
「その前にこの失敗物を処理しないと!」
≪ああそうだったね!≫
無残にもプスプスと不穏な煙を出している失敗物をホイルジャックが手に取り、ダストボックスに入れる
新たな焦げ跡が付いてしまった白衣の裾を押さえながら、ナマエは「あーあーあー…」と落ち込む
「…また貰わなくちゃいけない……またメアリングさん達にブチブチ嫌味言われるわ…」
≪本当にすまないね。火薬の量は丁度良かったと思ったんだが≫
「火薬の量はあれで良かったと思いますホイルジャック。でも、スイッチを押して手から離れて爆発するまでの時間が短すぎるんだと思います」
≪ふぅむ……また見直しが必要だね≫
手に持っていた実験内容を纏めたレポートをホイルジャックは排気を付きながらポイッと放る
彼のブレインはもう次の実験内容で一杯だった
隊員達の役にも立つような武器を作ろうと提案してきたのはホイルジャックが先だった
面白そうで完成すれば便利だ!と話に乗ったのはナマエ
ナマエはホイルジャックたちトランスフォーマーの頭の良さにはつくづく感心するしかなかった
たった一瞬で難しい計算式を割り出し、記憶力もすぐれ科学物質の反応内容まで何から何まであのブレインにインプットされているのだ
寧ろ彼らのブレインを研究してみたい、と言う不穏な考えを持ち合わせていることは、彼らには秘密だ
「でもいいところまで行ってます。実用化は、すぐそこですね!」
≪ああそうとも。我々が作った武器が、彼らの戦場で役に立つといいな≫
「ええ!」