・夢主はジャンと同様に両親が宇宙での事故で亡くなり、TF達に引き取られて育てられている設定です。固定主っぽい。年齢はジャンより2歳年上
≪ナマエ!もう良いんじゃないか?降りて来てくれよ≫
「もうちょっとだよウィングウェーバー!」
≪もうちょっとって…10分前もそう言ってたじゃないか!≫
「ほんとに後ちょっとだからー」
尚もウィングウェーバー自身の言葉を右に流し、船の排気口の中に入り込んで作業をしているナマエにウィングは溜息を吐く
排気口の内部がおかしい、とジャンから報告が入った。
ナマエは未だ幼いが、立派な整備士としての素質があり、トランスフォーマー達では入り込むことの出来ない細い空間の仕事は全てナマエが一任していた
≪どうだい?直りそうかい?≫
「うん 側面の壁が歪んで空気の流れが悪くなってたみたいだから。ボルト取ってーウィングウェーバー」
≪…ボルト?≫
天井に近い壁で作業をするナマエの身体はウィングウェーバーが手で持ち上げ固定していた。なので動けるのは左手と視線だけだ
工具箱の中を見てみると、ボルトやらネジやらと言った細々としたもので溢れかえっている。少しげんなりした
≪…ボルトって、どれだ?≫
「小さくて、丸いやつー!」
≪小さくて丸い奴??≫
片手でナマエの身体を支え、もう片方の手で工具箱の中を漁る
人間サイズのその小さなモノを探すのにも一苦労だ
≪……これかな?≫
「とりあえず渡してー」
適当なものを、手だけ後ろに伸ばしてきたナマエに渡す
「あ、これこれ!」どうやら正解だったようだ、良かった
修理が終わったのか、ナマエが後ろ向きにゴソゴソと出てくる
ナマエの顔は埃や油が付いて汚れてしまっている
≪こら 女の子なんだからあまり無茶すんなよ?≫
「分かってるよ〜」
指先で汚れを拭ってやると、ナマエは擽ったそうに笑った
ナマエは、持っていた工具を全て専用の工具箱の中に片付け、重たいソレを難なく担ぎジャンに連絡を入れた
「ジャン!終わったよ〜」
『あっ、ありがとナマエ!』
「今、そっち誰かいる?」
『ダッシュタッカー達とサッカーやってる!ナマエも来る?』
「行く!ウィングウェーバーも連れて行くから!」
『オッケー!』
通信を終えたナマエがクルリと振り返る
「そう言うことだから、行こっ、ウィングウェーバー!」
≪おいおい…あまり遊んでると司令官に怒られるぞ?≫
「大丈夫!ジャンも一緒だから、司令官も怒らないよ。行かないの?」
≪行くけどな?≫
「そうだよね!」
ナマエをもう一度掌から肩に乗せ、船の外に出る。ボールを持ってこっちに手を振っている皆の姿
デストロン軍団達は襲い掛かってくるが、それでもナマエやジャンの故郷であるこの地球は、とても良いところだな、とウィングウェーバーは想った
暫しボーっとしていた彼の顔面に、マッハタックルの放った強烈なシュートが襲った