「ナマエちゃんは好きな人とかいないの?」
「いるよ!」
「わぁっ!ほんと?誰だれ?」
「ブラッカー!!」
「えぇ??」
いっつもそう。どうして皆、必ず「え?」って言うんだろう。ブラッカーのこと、よく知らないからかなぁ。知ってたら、絶対に皆ブラッカーのこと好きになっちゃうのに。あ、でもそれは…
「駄目!!」
≪何が、駄目!なんだ?ナマエ≫
「えっブラッカー!」
≪こんなに近くまで近付いたのに、気付かないなんて修行が足りんぞナマエ≫
指でポン!と背中を押され、一歩前によろめく。修行って、私は別に強くなろうなんて思ってないよ!
≪それで、何が駄目だったんだ?≫
「あー…それは…」
≪言い辛いことか?≫
「ううん、そう言うんじゃないよ。 ブラッカーって格好いいじゃない?」
≪そうか?そいつぁ嬉しいな≫
「ブラッカーって格好いいし、強いし、優しいし、だから、皆ブラッカーのこと知ったら、みーんなブラッカーのこと好きになっちゃうんじゃないかなぁって。そしたら、私が困る」
≪……えらく嬉しいことばかり言ってくれるじゃないかナマエ≫
「本当のことだよね?」
≪どうかな?≫
手を差し出されたので腰掛ける。ブラッカーの掌は、私の定位置だ
≪俺が他の奴には、そうじゃないかもしれないだろ?≫
「どういうこと?」
≪ナマエ以外の奴には優しく接さない、ナマエ以外の為には戦わない俺だったら、他の奴等は俺を好きにならんだろう≫
「…でもそんなの、ブラッカーじゃないね」
≪ああそうだ。だがそれで良いじゃないか。俺には、ナマエとジャンだけで手一杯だからな≫
「うん、それで良いよ!」
≪な?≫
ニヤリと口角を上げて笑ったブラッカー、あぁ、やっぱりかっこいい!