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なんでそんなすぐばれる嘘つくの?


ジャック×アーシーとか有








≪ジャック、まだ帰らないの?≫

「まだラフを負かせてないんだ。まだやる!」

≪困ったものね…≫


呆れたように溜息を吐いてアーシーは、ラフと隣並んでゲームに熱中するジャックの背中を見守る
どれだけ呆れていても、強制しない辺り、アーシーもジャックにはまだ此処にいて欲しいと思っていることが分かる



それに比べて、だ




「帰っちゃうよ?」

≪ああ≫

「ほんとーっに、帰っちゃうからね?」

≪気をつけてな≫

「ほんとのほんとだよ?嘘じゃないよ?」

≪暗くならない内に帰るのが一番得策だ≫

「もうっ!」



モニターから目を放さずに答えるラチェットの脛のあたりを思いっきり蹴っ飛ばす
痛かったのはナマエの足だけだが、ラチェットが蹴られた箇所を擦りながら面倒くさそうに振り返った



≪…だから先ほどから帰れと言っているだろう≫

「ラチェット、もっと他に言うことあるでしょう!」

≪道には迷うなよ?≫

「"私が送っていこう"でしょー!」



ナマエに指摘され、初めてその選択肢を思いついたのか、ラチェットは≪ああ、なるほど≫と頷いた。しかし了承はしない



≪私は忙しいんだ。やらなくてはならない事も沢山あるんでな≫

「女の子一人を夜道に送り出すなんて男として最低よ!」

≪私は金属生命体だから、そんな人間の男の事情なんて知らん≫



あくまでもナマエをあしらっているラチェットとナマエを見かねたアーシーがジャックの傍から離れ声を掛ける



≪ナマエは、ラチェット自身の個人的な話をしてるのよ≫

≪どういう意味だアーシー≫

≪ラチェット、貴方、ナマエを絶対に送ってあげたく、ないのよね?≫

≪………≫



一言ひとこと確認するようにアーシーが声に出すと、ラチェットは途端に押し黙る

そして溜息を吐いて、画面上に広げていた作業を一旦保存した
足元でベソ掻いていたナマエを掌に乗せる



≪…しょうがないな≫

「!やったぁ!」

≪言ってから追い立てるように出てくんじゃ、見損なったわラチェット≫

「いいのアーシー!ラチェットが重たい腰上げてくれただけでも幸せ!」

≪…どちらも静かにせい≫



トランスフォームしたラチェットの中に乗り込む
ゲームを一時中断して見送ろうとしていたジャックとラフも、帰る気になったようだ



「アーシー、僕も帰るよ。送ってってくれる?」

≪しょうがないわね≫

「アーシーとラチェットの"しょうがない"だったら、アーシーのがいいね」

「何言ってるのラフ!ラチェットのもいいでしょ?」

「うん、そうだね」



ラフを送ろうと近くに寄ってきたバンブルビーをラフが見上げる。バルクヘッドと音楽を流していたミコも空気を感じ取ったのか、自分も帰るー!と集まってきた



「じゃあ皆で帰ろうか」

「いいねー!」

「行こいこっ」

「楽しそうだね」

≪それじゃあ、オプティマス。一人で留守番頼んだわ≫

≪む…≫

「オプティマスも、後を付いてきたらいいじゃない!」

≪…本当か、ナマエ …ああ、しかし警備が…≫

「大丈夫じゃない?どうせいつもザルなんだし!ねぇバルクヘッド!」

≪そうかぁ…?≫

「ねっ!そうしよ、オプティマス!」

≪分かった…そうするとしよう≫

「おー!」

≪じっとせんか、ナマエ。振り落としちまうぞ≫

≪嫉妬は見苦しいわ、ラチェット≫

「男だって嫉妬してもいいだろ?なぁラチェット」

≪う、うう煩い!≫

≪ミコ、今日は何の音楽かける?≫

「ロック!!」

≪ビー!≫

「バンブルビー、またレースの続きしようよ!」




そしてそれぞれがトランスフォームし、基地から出て行く



通信機にファウラーの顔が映った



『オプティマス、聞こえるか。町の美術館で……あれ?オプティマス?おい、誰もいないのか!?』