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ほかの誰を愛せというのか


※百合夢です
・夢主→アーシー→←ジャック前提






≪ちょっとボーイ!アンタ、まーたアーシーと一緒に出かけてたんでしょ!≫

「違うよ、偵察だ」

≪どっちでも一緒よ!デートでしょ?アーシーとデートなんでしょ!?≫

≪ナマエ、その辺にしておきなさい。ジャックは何も悪いことしてないわ≫

≪だってズルい!!≫



時折、こうして癇癪さえ起こさなければナマエは見目麗しい女性型だ

セイバートロン星に居た頃には、多くの者達が彼女に好意を向けていたが、
そんな彼女が好意を向けるのは、同じ女性型のアーシーへだった



≪こんなボーイなんて、アーシーには似合わないわ!≫

「…言っちゃ何だけど、君だって駄目だろ!」

≪むっ!なによ!≫

「やるのか?」

≪止めなさい二人とも≫


ナマエに恐れず、勇ましくファイティングポーズを取ったジャックを手の甲で押し、ナマエは肩パーツを掴まれ、後ろに引き戻される。
声を上げて、恨みがましい目でアーシーを見ようとしたナマエだったが、そのアーシーがジャックを労わるような優しい眼差しを向けていることに気付き、バツが悪そうに顔を背ける。完全に拗ねた子どものようだ



昔からそうだった
彼女は人気者だ。美しいし気高く強く思いやりがありエリートだった
そんなアーシーに惹かれる男達は星の数ほど居た
他の同型達とは、性癖とも呼ばれるサーキットが異色であったナマエも、
そんな彼女に惹かれてしまったのだ。
だが、その時すでにアーシーにはテイルゲイトと言う恋人がいた
だからしょうがなく、親友と言うポジションに甘んじていたのだが、

ナマエは、本気でアーシーを好いている




ミコ達に呼ばれ、ジャックが二人から離れる
ジャックに向けていた視線をナマエに戻す。


≪……アーシー!私の方が、貴女のこと好きだもの!年季ものよ!?≫

≪ええ、知ってるわよナマエ≫


こんな時でさえも、綺麗に笑うのだから、彼女は狡い


≪……知ってて、応えも拒否もしないのが、一番酷いよアーシー…≫

≪……ナマエのこと、好きよ≫

≪…ありがとう、って言えばいい?どうすればいいの?≫

≪勝手だけど…これからも、私のことを好きでいてくれたら嬉しいわ≫

≪………え、≫

≪何より、貴女まで喪いたくないから…≫



キツく目を瞑ったアーシーの手が小刻みに揺れている。その手に両手を重ねる



≪死なないよ、アーシー≫

≪ナマエ……≫

≪私は絶対にアーシーの傍に居る。貴女の敵は、私がこの自慢のブラスターで撃ち殺してみせる≫

≪フフ…頼もしい それじゃあ早速、あの蜘蛛女をやっつけなきゃね≫

≪任せてよ!!≫



はぐらかされたような気はするが、それもいつものことだ。気になどしない

アーシーが好きだ。この感情だけは、気のせいではないもの