TF女主ログ | ナノ
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答えてくれる愛がそこに在る


ナマエに休息が必要だ、と気付いてからの行動は早かった

溜まりに溜まっていたというナマエの有給を自ら申し出、訳が分からないまま目を点にしているナマエの体を掴んで乗り込ませる
荒々しく保健省から飛び出せば、憲兵は風圧で飛びそうになった帽子を押さえながら立ち尽くしていたのが見えた


行きたいところなんてのはなかったが、ナマエと2人でドライブを楽しめるなら何処でもいい!



≪crackinggg!!Yeahaaaa!!≫

「ちょっ…!ジャズ!!」



開け放している窓から吹き込む風で、ナマエの長い髪の毛が風に踊る

やはり沿岸沿いを走るのは気持ちがいい!しかも、ナマエも一緒と来たものだ!



≪Yaナマエ!そんなしかめっ面してちゃ俺とのデートを存分に楽しめねぇーじゃねえか!≫

「えっ、これデートだったの!?てっきり拉致か誘拐か何かだと…」

≪イカすジョークだなナマエ!≫

「ジョークじゃないよ!」


冗談を言ってやれば、ナマエの気持ちは緩むことはもうすでにリサーチ済みだ
その証拠に、さっきまでのナマエのしかめっ面はナリを顰め、ステアリングを握る顔には笑みが浮かんでいる
嬉しくなって、カーステレオから景気よく流れるミュージックの音量を上げる
横を通り過ぎていく車内にいる人間の誰よりも、今のナマエには負けるだろう
それほどに、風に靡く髪を押さえながら、ステアリングには手を添えるだけ、気持ち良さそうに光が反射する海を眺めるナマエの綺麗なこと



≪たまには息抜きが必要だって言っただろ!≫

「…それを貴方に教えたの、私でしょ?」

≪ちゃんと覚えてて、偉いだろう?≫

「…ふふっ、そうね!」



今流行りの曲。テンポの上がったサビが来ると、ナマエは口ずさむ




「……本当に、粋なことをするのに余念がないジャズね?」

≪分かってるとは思うが、そうするのはナマエだけだってこと、忘れるなよ?≫

「ありがとう、覚えておく」



笑うナマエに俺のスパークの高鳴りが知られることなどないのだが、
それを隠すようにスピードを上げた俺の気持ちを分かっているのかいないのか、ナマエはクスッと微笑んだ