「大変たいへんたいへーん!遅刻ー!」
ユウキのバカ!サイバトロン基地に遊びに行くんだったら私のこと起こしてから行っても良いのに!
今日は土曜日だけど先生に呼ばれて学校に行かなきゃいけない、って伝えてたのに!
「指定された時間まで後10分しかない!」
私の足じゃどんなに全力疾走しても20分かかる。それはつまり私の終了の合図だ
「…怒られる……どうしよう」
遅刻した私が全面的に悪いんだけど、やっぱり休日に用事を申し渡す先生も悪いと思うんだ!
「あーもー!!誰か助けてー!」
《呼んだかナマエ!》
曲がり角の向こうから何かが猛烈な勢いでドリフトして来た。
色鮮やかなレーシングカーはまさか、
「……え、インディヒート?」
インディヒートだった。
なぜこんな一般道を爆走してるんだこの人
《レースはどこだナマエ!!》
「……(レースなんてないけど)」
でももしかしたらこのインディヒートは私の救世主かもしれない!
「ねぇインディヒート!一生のお願い!私を学校まで乗せてって!」
《え?な、何でだ?》
「そ、それは……(遅刻したから、なんて言ったら乗せてくれないかな…)
学校に着くまでのタイムを友人と競ってるの!
」
まったくのデタラメなのだが
《なにぃ!?レースか、競走かナマエ!!》
「そうなの、お願い力を貸してインディヒート!あと10分以内に着かなくちゃ…」
《うおぉぉお燃えるぜーー!!ナマエ早く乗ってくれー!》
「う、うん」
今にも走り出してしまいそうなインディヒートに慌てて飛び乗る。
《スタート!!しっかり捕まってろよナマエー!》
「わわわっ、きゃー!!」
猛スピードで走り出したインディヒートの圧力に押されて座席に押し付けられる。痛い
しかし町並みがみるみる後ろに流れて行く。この分なら多分…
《着いたぜナマエ!タイムはどうだ!》
「え、もう!?」
時計を見るとまだ後8分も残っている。
「インディヒート、すごい!」
《そうか?で、タイムは?勝敗は?》
「うん!インディヒートと私の勝ちだよ!ありがとうインディヒート!」
《ぃよっしゃあー! ん?何処かでレースの音がする》
「え?」
《じゃあなナマエ!またなー!》
インディヒートはそう言ってまた何処かへ走り出してしまった
「お礼したかったんだけど…まあ、また会った時でいっか!」
もう見えなくなったインディヒートを見つめて、私は校舎に向かって駆け出した。