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それでは、この唇にキスしてください


「ねぇスピードブレイカー」
《なんだぁ?》

「もし私と真っ赤なスポーツカーが今まさに崖から落ちそう!ってなって、どちらか一方しか助けらんなかったら、どっち助ける?」



普通の疑問だった。ただ純粋に、真っ赤なスポーツカーが大好きなスピードブレイカーは人間であるナマエとスポーツカーのどちらを助けるのかと、

ナマエは別にスピードブレイカーと恋仲という訳ではなく、お互いに“大切な友人”であった。

だからスピードブレイカーの答えは最初から決まっている


《ナマエだな〜》

「あ、私なんだ」

《うん》



スピードブレイカーはサイバトロン基地の一角に腰掛け、ナマエもスピードブレイカーの前で体育座りをして落ち着いている。
今はファイヤーコンボイもユウキも出ていたし、エマージェンシーコールもないので、基地で二人寛いでいたのだ


「理由は?」

《だってなぁ、ぶっちゃけた話、真っ赤な彼女が落ちちゃっても次に探せば良いけど、ナマエに代わりはいないからなあ》

「ふーん」



案外自分のことを考えてくれた理由だったので、ナマエは安心した。


「じゃあもしその真っ赤なスポーツカーがスピードブレイカーの彼女になる運命の存在だっても私を助ける?」

《うーん…やっぱりナマエかな》

「なんでー?」

《それでもナマエはたった一人だろ?》



ん?と、カッコつけるスピードブレイカーを
羞恥もあって睨み付ける。


「それじゃあ、私にキス出来る?」

《キス?ナマエ、されたいのか?》

「されたい訳じゃないけど…」

《しょうがねぇなぁ ホ〜ラよ、チュー》

「…!……なんか、ありがとう」

《どういたしまして〜 友達は大切にしなきゃな!よしナマエ、命令あるまでドライブがてら可愛い子ちゃんを探しに行こうぜ〜!》

「うん、いいよ」


嬉々としてトランスフォームしたスピードブレイカーに乗り込んでいつもの日課である真っ赤なスポーツカー探しに出掛ける。


スピードブレイカーにキスされた 頬っぺたを押さえて、ナマエは微笑む

とりあえず、今のところスピードブレイカーの助手席に乗れることが出来るのは、ユウキと自分だけだから、


今は、これで 良い