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君が生きている音がする


オプティマスが瞬きをするのが好きだった。彼らがアイパーツを動かす時に、カシャン、と音がする。人間の瞬きでは到底することのない大きな音
それは、彼らトランスフォーマーにはよく見る行動だった。手や足を動かす時にも、首を傾げる時にも、口が動く時にも、彼らの1つ1つの行動に「音」が付く

私はそれが好きだった。何故なら、その音がすることによって、トランスフォーマーの皆が「生きている」「動いている」と感じることが出来るから



「…良いね、オプティマス達は」

≪…? 何が、だろうかナマエ≫



ベランダに出て一緒に星の観察をしていたオプティマスに声を掛けると、不思議そうにしながらも訊ね返してくれた。ほら、またキン、って、鳴った



「体のパーツを動かすたびに、駆動音がするでしょう?それって、凄くいいと思うの」

≪…すまない 君の言っていることを、上手く処理出来ないでいる≫

「音がしたら、動いてるってことでしょう?生きてるって、ことじゃない?」



オプティマスは漸く理解したのか、ポカ、と少し口を開けて驚いているようだった。
オプティマスの口内で動いているギアや歯車が窺えて、少し嬉しくなった



≪…生きていると、音で感じる…≫

「トランスフォーマーの皆なら、当て嵌まることだと思うな、私」

≪なるほど≫



オプティマスが笑った。優しく口を緩めて浮かべてくれるこの顔が、大好き


暫くオプティマスはまた何かを考えているみたいだった
「?」気になったけど、邪魔しちゃいけないなと思い、黙って見守る


やがて答えが出たのか、オプティマスは目線を私に戻した




≪…私も、ナマエの音が好きだ≫

「…?私、何処が鳴ってるの?」

≪ここだ≫


そう言ってオプティマスは私の胸を指差して、そこへ顔を寄せて来た。



≪…心臓、と呼ばれていたかな?≫

「しん…ぞう、」

≪ああ… ナマエのここも、生きている音がすると思う≫



擦り寄られ、少しくすぐったくなったが束の間の甘えられた行動に、私の胸の鼓動が早まったような気がする



オプティマスの耳には、一体どんな私の音が聞こえてるのかな?

「私が 生きていると分かる音」が聞こえていたらいいのだけど

もしも このドキドキまで聞こえてしまっていたら、

オプティマスはどんな顔をしてくれるのかな