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「#幼馴染」のBL小説を読む
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▼ 参 友好は無意味である。不必要だと言い換えるべきか


白ひげ海賊団へ女が入船する為には、船長であるエドワード・ニューゲートのお付きのナースとなるのが一番の有効手段だと思われたが、ナマエに医療の知識はないので困難なことだった。
しかし幸いなことに、白ひげ海賊団は先日、
近海を根城にしていた大規模の海賊船を有する海賊団と交戦し、仲間を失っている。クルーの中に空きが生じていた。しかも丁度、サッチが隊長を勤める隊の隊員の中に、だ。これが好機と言わずして何を以って好機とするのか。

ナマエは海賊見習いの格好になった。身の毛もよだつ話ではあるが、そこそこ似合っている気がした。しかも出立前に格好を見たガープも「似合っとるのう!」と言って笑った。大きなお世話だった。









「ナマエです 精一杯海賊らしく振舞えるように頑張っていきます。よろしくお願いします」


よろしくなー!と上がる濁声に顔を顰めそうになったがそれをするのは素人のことだ。ナマエはつとめて笑顔を浮かべた。他の新入り海賊たち――ナマエとは違って本当にただの海賊見習いたちだ――の自己紹介を聞き流しながらその間、ナマエはじっと目的の人物の顔を見つめていた。サッチだ。写真で見るよりも少し柔和な感じがした。自分の隊に新しく入って来るナマエを見て隣に立っていた一番隊隊長マルコに「あの子可愛くね!?」「当たりだなぁサッチよい」と話しかけて笑っている。下世話な内容ではなかったが居心地が悪い。 可愛い、だってさ。海賊もえらく目が痩せてしまっているのねえ






「あー…えーっと、じゃあ一応、おれが隊長のサッチだ!気軽にサッチ様って呼んでくれな!」

「はいサッチ様」

「え、いや、そんな素直に呼んでくれなくてもいいんだぜ?」

「しかし呼べと今サッチ様が…」

「冗談だったんだよ! サッチ隊長とかでいいから!」

「了解しましたサッチ隊長」

「おうよろしく!」



面倒な男だと言う印象を受けた。見た目ほど厳つい性格ではないようだが、まだ分からない。大体男と言うのも本性を隠しているものだ。あまり深く関わらないように、監視しなければ…。


思考に耽っていたナマエにサッチの声がかかる。「じゃあナマエはこっちを運んで洗濯場に行くぞ!」「え?」


「こ、これは?」

「? 四番隊の洗濯物だぞ」

「せ、洗濯?」

「洗濯は各隊の隊員が交代でやるからな。今日はナマエが新入りだから、仕事を覚えるって言う名目でお前が一番最初だ!」



問題 発生 だ

ナマエは生まれてから一度も、洗濯と言うものをしたことがなかった