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「折角綺麗なお顔をしてるんだからさァ、煙草はやめなよベビー5」

「う、うるさいわね!何を吸ってようが私の勝手でしょっ」

「お口が寂しいなら俺がキスしてやるからさ」

「か!からかうな!殺すわよ!?」

「ごめん、おふざけが過ぎた?」




美人な女性に物々しい銃火器って組み合わせが、大変好みである。 ナマエがベビー5を気に入っているのは唯一そこだけだった。


大体殺し屋と言う職業を生業にしている女って言うのはごつい見た目に男顔負けのパワーで粗暴な女性が多い。暗殺をメインにしている女性の場合はまたタイプが違ってくるが、正面切って敵と対峙するタイプの殺し屋に比べれば、ベビー5は幾分華奢な見た目をしている。だがその細い二の腕のどこにそんな力があるんだか、と言いたくなってしまうぐらいの重たい銃火器を構える姿は、とても様になっているし見惚れてしまったりするのだ。最初にドンキホーテ邸で見かけた時はただのメイドさんかと思ってお茶を頼んだら思いっきり殴られたことも懐かしい



「それで、今回は何番目の男を殺されて泣いてるんだいベビー5ちゃん」

「………5人、目よ……あの、鳥野郎…!!」

「あーあーあ、思い出し怒りは勘弁してくれよ。監視役の俺の身にもなってって」



5番目の恋人を殺されて復讐する為にドフラミンゴ様に牙を向いた。その折檻として一週間の監禁を言い渡されたベビー5 いつもなら直ぐに許してくれるのだが、今回はちょうどドフラミンゴの傍にボスを敬愛してる副官殿もいたせいで簡単にお許しが出なかったんだよね?
で、その監視役に抜擢されてしまったのが俺。理由?ないぞそんなもの。ただ暇そうにしていたから、だ。横暴にも程があると思わねぇか?これから昼飯食いに行こうとしてたとこだったんだぞ。暇そうもクソもあるかってんだ。なぁ?



「どうでもいいわ。私と世間話しようなんて考えないで」

「そうは言うがお互い暇だろ?どうせ監禁って言ったって、檻も鍵もねぇんだ。その鎖を切ればすぐに自由になれるよベビー5 なのにどうしてそうしないんだ?」

「………だって、今外に出ても、私の恋人は殺されてもういないんだもの…」



だから外に出たって、また殺し屋の方に仕事が出されるだけ。楽しくないわ


なるほど。ベビー5は、リアルが充実していて初めてビジネスに全力を出すタイプだもんな。そう言うところもやっぱり、殺し屋っぽくないな。なんて言えば怒られることは目に見えてるから言わないけど



「……俺は、ベビー5が必要だと思うけどな?」

「えっ!?」

「だってほら、この空間に俺一人なんて退屈だろ?こうやって一緒に会話出来るの、結構楽しいよ?俺は」

「そ、そう?わ、私がいて、嬉しい?」

「ああ、嬉しいな」

「そ、っか…!!」



面白い子だよなぁ、ベビー5って



「"ベビー5"って名前、可愛いよな」

「本当? あ、ありがとう…」

「ああ どうして"ベビー"なんだ? 見る限り君、凄くレディって感じなんだけど」





それから君は、訊かれるままに自分の名前の由来とか意味とかを教えてくれた。
へぇーって生返事を返す俺に向けて、楽しそうに話しかけて来る。
…ちょっと"必要だ"って言えば、すぐこの態度だもんなァ。そりゃ男からしてみれば可愛らしく見えて当然だ。少しは自覚を持てばいいのに。この先も苦労しそうだ、この子



「………ふうん、ありがとう。君の話が色々聞けて面白かった」

「そ、そんな…!こんな話で良かったら、幾らでも言うのに!」

「そっかそっか ……俺、結構君のこと好きだなぁー」

「! ほんとう!?」

「うん、可愛いし綺麗だし面白いし、飽きないよ」

「…っ!」



あーあ、そんな真っ赤になっちゃって。
状況分かってるのか、この子は。

男と密室で二人きりなのに、そんな真っ赤な顔は頂けないよなァ




「…………なあ、ベビー5ちゃん 俺の恋人になってくれねぇ?」

「え…!ほ、本当に?嘘じゃない?私を必要としてくれるの?愛してくれるの?」

「うん、君なら愛せそうだなーおれ」

「う、うれしい…! わ、私、貴方の彼女になる!ならせて!」

「本当?ありがとう、嬉しいな  ――じゃあさ、ベビー5ちゃん」




折角密室に二人きりなんだし、俺と一緒にイイことしようか