心拍数と注射器
・ハートの海賊団は街の医者設定
・レースしてません、すみません
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「神輿レースに優勝すると賞金100万両ベリー!?」
「やっぱ惹かれますよねナマエさん!」
「なのにローさんてば全然興味持ってくれないんす!」
「んなくだらねェ遊びに出る暇なんかあるか」
それよりも働けシャチ、ペンギン ナマエもその紙はさっさと捨てろ
ぎゃーっ!と叫び声を上げて暴れる男の腕をサッと捕まえて、そこに大きな注射を打ち込んだローは本当に興味なさそうにしている。
此方へ目線さえも向けてこない。本当に興味も関心もありはしないのだ
いつもの様に客から莫大な治療費を請求しようとしているローに溜息を吐き、「こら」とナマエはその頭を叩いて止めた。
注射一本打つだけで10両取ることないだろうが
「お大事に」
「あ、ありがとうごぜぇました…」
フラフラと外へ出て行く客を見届けると、
シャチとペンギンは再三ローへの打診を開始する
「ほんっとーにレース出ないんですか!?ローさん!」
「…しつけぇぞ 面倒だって言ってんだろ」
「で、でも100万両ベリーですよ?これだけあればウチの診察場だって大きく改修出来るし、今よりもっと良い医療器具や薬を取り揃えることだって…」
「なんだペンギン お前はうちが貧乏だって言いてぇのか」
「いや、だから…… ナマエさん、交代してくだせぇ!」
「はあ…」
ローの腕は間違いなく良いのだが、昨今、町医者はそれほど儲かる仕事ではない
噂ではチョッパーなる腕の良い町医者が場を占めて来たらしく、うちも負けじと頑張ってはいるのだが、何より主医者のローがこれでは目立った効果は期待出来そうにない
「面倒だから嫌なのか?ロー」
「そーだ」
「そうか なら仕方ないな」
「だろ?」
「ちょ、ちょっとナマエさーん!」
「ローさんには甘いんだから全く… シャチ、もう諦めて仕事に励もうぜ」
「うぅ…100万両ベリー…ご神宝…」
口では未練がましく言うシャチだったが、手には既に擂鉢と薬草を抱えている。未だ涙ながらに目で訴えてはいるが、ローは軽々と無視していた。
面倒なことはしたくないローだから仕方ない。
負け戦なのは2人も承知していた筈だ
「百万両はともかく、願いが叶うと言うご神宝にも興味ないのか?ロー」
「そっちのが余計に興味ねーよ」
「そうか?願い事くらい、お前にも1つあるだろう」
「おれの願い事は、ナマエが叶えてくれてるからな」
「…おっと…、今のは不意打ちだな」
「心拍数か血圧上がった?診てやろうかナマエ 脱げよ」
「あー、やめろコラ、ロー」