13万企画小説 | ナノ
×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -


隣人のおんな




「ローは私のことを ちゃんと好きでいてくれるのね」ありがとう
とナマエに微笑みかけられたあの日から、自分の今後の人生においてやるべき事は既に決していたと言える



二人でいつまでも寄り添え合えたら
いつ何時も隣には自分がいられたら
一番に大切なのは自分だと思えたら


ナマエには自分以外の他の男なんて似合わないんだから、仕方ないだろ?




「泣くなナマエ」
「…泣いてなんかいないわよ?」
「そっか そんな風に見えただけか」
「そうそう、ローの見間違い……、…」
「…やっぱり泣いてるじゃんか」



畜生あの男め ナマエの姿を見ること、あまつさえナマエに「好きだ」と告白することも全てが許されざる行為でありながらその上ナマエを泣かせるなんてどう言う下衆な神経をしてるのか。やはりそんな駄目な神経はおれが切っておいてやろう。そうだ、それがいい。



「…何言われたんだ? 告白して来たのはアッチなんだろ?」
「……断ろうと思って、呼び出したのは私よ。 でも昨日の時と態度が大違いで、"お前にはもう二度と近付かねぇ!!"って罵られちゃった…」
「へぇ……」



脅した効果はあったが、その後の行動まで指定していなかったな。あの男、誰がそんな言葉をナマエにぶつけろと言ったんだか。しかし、感情が高ぶって考えなしに罵声を吐きつけるような奴だったなんて そんなろくでもない奴なんて、とてもとても



「…どうして私から告白したわけじゃないのに、フラれたみたいな気分になるのかしら…」
「まあイイじゃねェか そのまま断り続けてろよ。 医大に入っておれが医師免許取った暁には、最高のプロポーズしてやるから」
「……ふふ、ローのソレを聞くの、何回目になるのかしら。 ちゃんと約束は守ってよ〜?ローが拾ってくれなきゃ、じゃないとおばさんは売れ残っちゃうから」
「安心しろよ 残るなんて事は、絶対ありえねェ」




トラファルガー・ローがナマエを抱きしめた回数は0回、 キスをした回数も0回、 手を繋いだこと、幼き日に15回、 共に出かけた回数67回、 うち"デート"という意味合いでの外出0回、
トラファルガー・ローがナマエに「好きだ」「愛してる」と言った回数100回以上(計測不可能)

何度も繰り返せば言葉は記憶に刷り込まれる たとえ本人が意識をせずとも、言葉とは、人の想いは蓄積して行くのだ



「…いつまでもショボくれてんなよナマエ 今日はおれが晩飯に付き合ってやるから」
「とか言って、ローは毎日来てるでしょう? 駄目よ、たまには自炊もしなくちゃ。将来的に困っちゃうわ」
「じゃあナマエが教えに来てくれよ。隣の部屋まで」
「それじゃあ結果は見えてるわね。甘えてはいけないわ、ロー」



ああ愛しい 愛しすぎて今にも気持ちが溢れ出してしまいそうになる もう少しの辛抱だ あと、もう少し時が経つのを待つのがいい その間もずっと、ナマエはおれのもの





prev/back/next