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両片思いのあっち側




「ポップンだろ!」
「いや、太鼓の達人だ」
「ポップン!」
「太鼓」
「ポップン!!」
「…分かった。じゃあ最初にポップンをやって、その次が太鼓ってことにするか?」
「さっすがナマエ!おれお前のそーゆートコ好き!」
「……おっけー」
「おまっ、どーゆうリアクションだそれ」



ローラ。
一言だけそう言って、もう後はおれを見ないナマエのそーゆートコほんと好き、おれ。

今だって、しつこいおれに譲ってくれたんだ。そもそもナマエは「ラーメン屋に行きたい」って言ってたのに「断固ゲーセン!」って言い張ったおれに譲ったんだろ?やさしーなー、ナマエは



「あ、やっぱ待ってナマエ」
「なに。早くしないと順番先越され…… あ」


おれとナマエより一歩早く、タッチの差で男女のカップル?が先に台の前に立った。
イチャコラキャピキャピきゃいのきゃいのしてる。おれにとって目の毒だ。男の方禿げろ



「あーほら、シャチが呼び止めるからだぞ。で、何」
「やっぱ先にプリクラ撮ろ!プリ!」
「…男2人でか」
「…女の子いねーと不満なのかよ」
「や?サムい光景になるんだろうなと思って」
「絵面的にはセーフだろ!なぜならイケメンがいんだから!」
「…あぁ、オレ?」
「お・れ!」



撮るのにオススメの台はもうすでにリサーチ済みだ!女の子によくおモテになるローさんとペンギンからのインフォメーションだから間違いない
足を軽くつっぱねって「えーマジで撮るんすかシャチさーん」勘弁してくださいよー、と反対してるナマエの意見は最初っから聞いてない!おれがナマエとの2ショットプリを撮って定期にこっそり貼りたいだけだから!



「…どんなの撮んの?」
「目がでっかくなる奴とか興味ある!」
「帽子でほぼ目が隠れてるシャチさんなのに?」
「撮るときは取るわ!」


日本語ってややこしいな、って言いながらナマエがタッチペンで操作してる画面は普通に撮影するモード?画面じゃん!
つまんねーよ!あ、でもナマエの奴もうスタート押しやがった!


『青い光のところを見ててね!』

「あああマジかよ!ポーズ、ポーズ!」
「…なぁ、コレって絶対あの光ってるとこを」


3,2,1,パシャッ


「おいポーズ取れよナマエ!棒立ち駄目!」
「絶対あの光を見なきゃいけないことないよな?」
「は?いいんじゃねーの?」


『続いていくよー!3,2,1,』パシャッ


「息つく間も無しなのか!プリクラしんど!」
「じゃあオレお前見てるわ」
「えっ…、」


『3,2,1』パシャッ




うっかり最後のショットはナマエと見つめ合う形となったわけだが何これ嬉しいぞ?

一足先に落書きに向かったナマエの横に並ぶ
「日付書け日付!」
「なぁ」
「ん?」
「オレとシャチの間にハート描いてもいいか?」
「おぉイイぞ………っんな!?」
聞き間違いか!?いや、本当にこいつハート描いてる!いびつ!


「は、ハートってお前!恥ずくね!?」
「…別にいいだろ。オレしか見ないとこに貼るから」
「いや、それ逆に恥ずいな…」


プリントアウトされ出てきたシートからすぐに最後の見つめ合いショットのを定期の裏に貼り付けた。ありがとうローさん、ペンギン。おれ、シャチは目標を果たす事が出来ました…!


「シャチ、ポップン空いたぞ。行かないのか?」
「やっぱいいや。それよりアイス食べたくなってきた」
「…お前、フリーダムすぎね?」
「なに、嫌なのかナマエ」
「別に?シャチの行くとこでいいよ。行こ」


…あー!そこ!おれ、ナマエのそこ大好き!仕方ないな、ってほんのり呆れた笑顔のナマエほんと好き!




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