神様、少し教えてください
*愛情恋情本編→海賊世界→現代転生 設定
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記憶と言う記憶が重なり合っていて酷く重たい頭になっている。
どれも忘れてしまえばいい内容などではなく、出来るだけ覚えておきたい、大切なモノが多いせいでそれを棄てられない。
それはひとえに、私の記憶の大半に、ローがいるせいだ
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「ロー! いい加減その寝坊癖治しなさいって言ってるでしょ!」
「……ん…、わりぃ……」
「いつも口だけなんだから…! ああホラ早く!遅刻するから、」
「んー……」
家を出た時からずっと寝惚け眼のローが迷子にならないように手を引きながら、
赤信号を待つ為に朝の横断歩道に並ぶ毎日の風景
しかし いつになっても慣れない、不公平な光景だ
ローは、全く同じと言っていいぐらいに
"トラファルガー・ロー"を丸々受け継いで生まれているのに対し、
私はと言えばまず第一に性別が違った。間違いなく女だ。上はあるし下はついていない。
そして年齢。ローと14歳放れていた年の差は、すっかり同い年となっている。最初は、何よりもまずそこに違和感があった
なんだろうかこの待遇の差
俺、じゃなく私は余程神様の暇潰しの玩具の対象にされているのか?
「あっ! ナマエさ、じゃなくてナマエさーん!」
「シャチ君!おはよう」
「ナマエさん今日もすーっごく可愛いですねっておおっとローさんからの視線すっごく刺さってるな痛いぞー!」
「…バカやってねぇで早く行こうぜナマエ」
「ちょっとローさん!?おれ無視っすか!?」
「ロー!目が覚めたんなら手ぇ放しなさいって、」
「ヤだ」
引っ張られたせいで、足が縺れながらもローの後ろをついて行く
と言うかその様子だと、最初っからシャッキリしてたんでしょうねきっと。
眠たいフリまですることないでしょうに!
「こら!ロー!」
「………」
ああもう聞いてない! ごめんねシャチ君、毎日まいにち!
いいえ もう慣れてますんで!