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「#幼馴染」のBL小説を読む
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終わりにありがとう




*これはいわゆるひとつの呪いです の設定を使用してます

―――








オレ、戻れた!!!




「しかしだるい」
「何なんだよテメェは!」
「おお聞いておくれよスモーカー君 実はオレは異世界人でな」
「それが人にモノを話す奴の態度かよ… 起きろ!地べたで寝転ぶんじゃねぇ!」



見慣れたコンクリート街

排気ガスの臭いと車の走る音

普及するインターネット、携帯電話

そしてそれらを持ち運ぶ人々

液晶画面が眩しい広告

国会議事堂で論議し合う政治家たちの映像




「これだ…これこそがオレが夢にまで求めた元の世界…」
「さっきから何ワケ分かんねぇ事ばっか言ってんだよ」
「…あれ?そう言えば、なぜスモーカー君までココに?」
「さぁな… 状況はサッパリ分かんねぇが、変な場所にお前1人残しておけねぇだろ」


「今すごく君に愛されてると思えたよスモーカー君」
「だから!地べたに寝転がるなって!何がしたいんださっきから!」
「コンクリートの感触を確かめたくて…… あー、よっこらせだるい」



しかし何故こうやってオレは元の世界に戻って来れたのだろうか





先日45の誕生日を迎えたスモーカー君と共に、
「45歳初の任務だねぇ」「関係ねぇよ」と
お尻を蹴られながら合同ですっかり数の減った海賊討伐に向かっていたんだっけ



そう言えば、確かその時にオレとスモーカー君は死んだよう、な?



海賊の残党達が船ごと爆破させる荒技に巻き込まれて、
スモーカー君は海に放り出され、
オレはスモーカー君に気を取られて背後の刃に気付けなくて、


そうだ、全滅の最期を迎えたんだった





「…まあいいかぁ」
「何がだ」



もう考えるのは止そう。面倒だし、どうでもいいや




「ようこそスモーカー君」
「あ?」
「ココでの暮らしでなら、存分にオレを頼ってくれていいよ。先輩だから」
「…お前が…?」
「うわ、その顔心外だなぁ… …しかしオレの家は何処にあるんだろう…」
「お、おいコラ勝手にウロチョロすんな!」
「はぐれないように手を繋いでおこうか」
「なっ放せバカ野郎!」
「放せば迷子確定だよー」



あーこの感じ

歩いても歩いても人が立ち塞がって邪魔になるこの感じ。懐かしいなー



そう言えばオレの部下君たちも一緒に死んだのかな。どこかで会えないかなぁ




「でも安心してねスモーカー君 君にはオレがいるからさ」
「………お前、さっきから変だぞ。頭でも打ったか」
「大丈夫、動きたくないけど結構頑張って歩いてる」
「…いつも通りだな」







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