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しあわせであふれたせかい






お前はおれを覚えていないけど、
おれはそれでも構わないんだ

覚えていない方がいい。
記憶なんてものは、人を強くも弱くもさせるもの。
お前の場合は、思い出さない方がきっと幸せになれる筈だから





「…シャンクスさん? ボーっとしてどうしたんですか?」



窺わしげに訊ねてくる顔は、ナマエが船に乗っていた頃から変わってない

眉を寄せて、声を潜めて、


そんなにおれが好きか?



「なァんでもねーよ」
「…?ならイイですけど」



おれの船に初めて乗船した時と全く同じ姿に背格好
右目の上にある火傷の傷も、眠たそうに細められた一重の目も
「…ほんと変わってねぇなぁ」「シャンクスさん、さっきからどうしたんすか?」「昔を思い出してちょっとなー」






「なあ、そんなことよりさナマエ」
「はい?」
「今度の休みにさ、ウチの奴らと一緒にドライブしないかって計画立ててんだがお前も来るか?」
「ドライブ?ベックマンさん達とですか?いいっすね!行きたい!」
「おっノリいいな!じゃ行こうぜ! 海岸の国道走る予定なんだけどいいか?」
「いいですよ!うわー楽しみだ!」
「最近暑くなってきたし、海入ったりすっか?」


「…あー…、すんませんシャンクスさん。 お恥ずかしながらオレ、泳げないんですよ」
「え?そうなのか」
「なーんか昔っから海とかプールとかが苦手で。足が竦んじゃうんですよね」
「………へぇ…」
「あ!軟弱とか言わないでくださいよ?」
「…言わねーよ。じゃあ海岸でバーベキューならいいか?」
「あ、なら大丈夫です!」
「よぉし」



World-filled and happy




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