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「#幼馴染」のBL小説を読む
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守ってあげるわマイヒーロー







「ロー 今日は何食べたいんだ」
「…ナマエの、食べたいものでおれは、」
「何だい詰まらん。 食材で言え、食材で」
「……肉、とか」
「よし分かった。少し待ってな」
「あああおい!いい!いいからナマエ!」



野生の熊と戦って仕留めて来いってつもりで言った訳じゃねぇから!



一週間前、「魚が食べたいかもしれねぇ」と答えたら暫くナマエの姿を見なかった。
心配になって知り合いの許を駆け回って消息を調べていたら、一昨日にナマエは帰って来た。
肩に大きな鮪を引っさげて



「知り合いの漁師の船に同船させて貰った。まだイキは良い。捌くから少し待ってて」とキッチンへ向かうナマエにローは眩暈と貧血で倒れるかと思った。
フラつく頭をどうにか押さえ込んで、フラフラとキッチンに飛び込む。今正に鮪を捌かんとしていたナマエの右腕に飛びついて、ローは叫んだ
「ナマエは、いつになれば現代の生活に慣れるんだ!」




「…現代も昔もない。獲れると思ったから獲って来ただけよ」
「そうかもしんねぇけど、やめてくれ」
「…………」
「心配で心臓が痛いから、頼むってナマエ」



言葉のアヤで言ったことだったが、「心臓が痛むのか!?バカ早く寝てな!」と勘違いしたナマエに抱きかかえられてベッドに運ばれる自分は一体何なんだ、とローは手で顔を覆った。
念願叶いナマエの傍に居られる今がとても幸せだが、やはり変わらぬ彼女の性格とか思考には本当に男として参ってしまう。矜持もプライドもへったくれもあったものではない



「細い!」
「…え?」
「ロー、アンタとっても細い。軽すぎる。ちゃんと飯食ってんのか?」
「いや、人並みに食べてはいるが…」

「駄目だ。もっと食わないと」
「…そうか…?」
「待ってろ。すぐに肉を調達してくるから、」
「スーパーで!食材コーナーで調達して来てくれよナマエ!」




肉を調達してくる、と言って持つのが財布ではなく猟銃とか不安しかない



しかしながら、ナマエとローの共通の知り合いである男は
「お前それ、ナマエにメチャクチャ愛されてんじゃねぇか!アイツは野郎の為に自分が料理、なんて死ぬ程嫌がる女だぞ!」と言う
ナマエに愛されている。ならば思うところも変わってくるのだが



「 で?今日は、そのナマエは何でいねぇんだ?」
「………おれが食えそうな料理のレパートリーを増やす、とか言って、」
「ああ、料理教室に通ってんのか!ほ〜?ラブラブじゃねぇかロー!フッフッフ!」
「…っ!」



ラブラブ、と言っていいのだろうか?
……そうなら嬉しい






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