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こうやって酸化するぼくのなにか




もしかすれば、

あと少し時間が経てば、

エースはオレのことを思い出してくれるんじゃないかと、




「すまんナマエ!」と謝って「ずっと忘れててごめんな、ほら、おれってバカだからさ」と言い訳して「今までずっと『好き』って言い続けてくれてありがとな」と笑ってくれるんだと、
夢想する少女のように可愛らしい夢を見ていただけなのです。
そんなオレは罪でしょうか。前世で亡くした恋人を望み欲しては、罰になりますか






「エースー!」

「…おめぇ、また来たのかよ」




ああ!お前のその嫌いな人間を見る目も、オレはもう慣れたよ!


冗談!今むっちゃ胸が痛い!心臓が泣いてる!辛い!




「今日も今日とて愛してるぞエース!!」
「……お前さ、恥ずかしくねぇのか?男が男に…ウッスラ寒いことしてさ」



恥ずかしくなんかない!お前が!エースが!オレのことを思い出してくれさえしたら!



なああのなエース、オレずっと後悔してたんだ。目の前の処刑台でお前が座らされていた姿を見てその後ようやくこの手が届くところにまでお前を取り返したって言うのにお前は赤犬に臓器を焼き焦がされて崩れ落ちてさそんなお前の姿がオレはずっと瞼に焼き付いて離れなかった絶望したんだ来る日も来る日も悪夢を見たよ夢の中でお前がオレの前に座っていてニッコリ笑いながらお前の体が足から徐々に焼けていくんだ。止めたくても手は伸ばせないし声も出ずにお前が焼死していく様を毎晩ずっと見た。精神崩壊を疑われて医師には渋い顔をされたっけ。ともかく碌でもない人生を送ってきた。だからこうして生まれ変わって平和なこの世界でエースを見つけて、先に出会ってたマルコやジョズ等と一緒に手を取り合って喜んだ。のにさ、お前と来たら



「――誰だ?お前ら どっかで会った事あるっけ」


だもんなあ





「…とにかくよ、この際だからハッキリ言わしてくれ。ナマエがおれに告って来る度に変な目で見てくる奴がいるからさ。もう今後一切そう言うこと言わないでくれねぇか?」
「で…でもな、エース!オレはお前を、」




もう一度愛したいだけで、




「…こんな事言いたくねぇけどさ、――マジでやめてくれ」




「……ご、め…ん」




侮蔑するような目、お前でも出来るんだなエース。初めてだったから、ビビったよ。はは、ははは






はは…あーあ、また悪夢を見始めそう







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