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「にい……ローさん」
「なんだナマエ?また例の"兄弟プレイ"をお望みか?」
「…っちょ、ちょっと間違っただけだろ…!」





ナマエには、ほぼ双子同然だった兄がいた。

年は2歳離れていたが見た目が似ていた為によくお互いが間違われるハメになった

兄であるローは大した問題ではなかったかもしれないが、
最悪のルーキーとして、七武海として、その他諸々極悪な面々を晒し続けて生きて来た兄と間違われるのは弟としてとても苦労したもので


手配所の人相と勘違いされて海軍から追いかけ回された日々(オレただの一般市民!住居を転々とする事を止む無くされた!)、
荒くれ者の賞金稼ぎにつけ狙われ命を落とす危機に見舞われた回数100回以上(その内89回は本気で死ぬかと思った)、
痴情の縺れを引きずった兄の女(?)の皆さんに泣きつかれ縋られ殴られとばっちりを受けること11回(そのせいでオレの本当の彼女と別れるハメになった回数5回!)、
その他小さなことが多々存在して、


要するにロクでもない目に遭ってばかりだった


お互いが生きている内にその文句は言えなかったものの、
生まれ変わって、また出会ってしまって、
記憶を全て無くしているのは兄のローだけと来た

不公平過ぎやしないか
さすがのオレも仕舞いにはキレるぞ神様



「休日の朝早くから、部活動か」
「…ソーデース」
「学生は大変だなぁ ガンバレ?」
「ローさんはニートですか」
「黙れ」



ほら、頭を小突いて怒るところも変わってないのに

記憶がないから、
兄と同じ姿なのに別人扱いって、
無理なんだよな。普通に


でも仕方ない。
別人として扱うしかないんだ。本人だってそれを望んでる
あー、何でオレだけ無駄に前世の記憶とか引き継いで生まれちまったんだろう
脳みその容量取りすぎて昔から頭が重たいんだよな。どんな気分だったと思う?なまじ昔のことを覚えてるせいで精神年齢がおじいちゃん並みのガキの出来上がりだ



「しょぼくれてるな。元気出せ」
「…アンタな、誰のせいだって…」



そう言えば、朝の通学路でたまたまローと出くわしただけなのに、何故かローはそのままナマエの後を付いてきている

はて?こんな朝早くから、ローはどうして外に出ていたんだろう。
情報によれば相も変らぬ低血圧おとこらしいのに



「…何で付いてくんだよ」
「気になるか?」
「…イエ、ベツニ」
「ふっ お子ちゃまにはわかんねー問題なんだよ」
「……」



なるほど、朝帰りと言う奴か。
それくらい悟るのは朝飯前だ。元:弟舐めんなよ

でもやっぱり何時になっても女癖が悪い。生活態度が悪い。
異性の匂いを漂わせてる体でオレの隣を歩いてほしくないものだ
嫌なこと思い出してしまってしょうがない



「それで、何でオレについて来るんだよ。家あっちだろ」
「なぁに オトウト君の姿が見えたから気まぐれで付いてってるだけだ。飽きたら帰る」



おいおい不愉快な発言だ全く
兄貴と思ってない男に、弟なんて呼ばれたくないですよー

別に不貞腐れてるわけではないぞ、断じて



「頼むから、今度はどうかオレに迷惑かけないように生きてくれよ兄さん」
「…なんだ。さぞかし辛い目に遭ったんだな…かわいそうに」
「言っとくけど、アンタが当事者だからな!」

「まあでも、ナマエが弟だったんならさぞかし面白かったんだろうって事は分かる」
「…ほんとか?」

「 少し、勿体ねぇことしたか?おれ」



そんなの、オレが知るわけないだろ
オレのこと覚えずに生まれたアンタが悪いんだから



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